第一章 ~兎篇~

4-1作品目  復活のハーデス

 さて、俺は今迷いの森(仮)にいるわけだが……



「いや、この時点でわけわからねぇよ」



 よし、良く思い出してみよう。こういうときこそモブ君と今北産業だ。


 モブ「今北産業」

 俺氏「胸尻戦争HOLY・WAR勃発

   テル激怒

   うーん、今北二業ですわ」


「……よし、つまりここは夢なんだな」

「黄金の理解力だね〜」


「その声は…ガヴリエル様!」

 

 俺がそう言うと同時に光りが集まり、ガヴリエル様が出てきた。


「この前は呼び捨てだったりお前呼びだったのに…威圧のせい?」


「はい」


「うん、即答するあたりふざけてそう呼んでるっぽいね。黄金の精神だ」


「いや、こんなのが黄金の精神なわけねぇだろ。

 俺はお前らが俺を呼んだ時点で俺に何かしらの用があるということと、俺が主人公だから呼んだということから


『お前らの要件は主人公である俺にしかどうにかできない問題』


 と考えた。だからこそ、あの威圧に怯えながらも平常心を保っているフリをしてるんだ」


「あ、フリなのね」

 呆れているのか、ジト目で俺を見てくる。あれをくらって怯えない奴なんて、それこそ無双系作品の主人公しかないだろう。心外だ。


「……ん?もう来ていたのか」

 男の声だ。もっと詳しく言うとハーデスの声だ。その言葉が聞こえたと同時に、まるでお約束かのように光が集まり……ハーデスが現れた。


「さて、どうやら自分の能力に気づいたようだな」

「あぁ。能力の内容もある程度は理解してるつもりだ」

「ふむ、では改めて説明する必要は無いか」



「待って私知らない」



「では本題に入ろう」


「待って!? なんか主人公っぽくなる的なことしか覚えてない!」

 ガヴリエルはそう言ってハーデスに泣きつく。……あれ?アイツ、ただの阿呆?いちいち行動が幼過ぎない?


「いや、それで十分だ。だいたい合ってる」


「そうなんだ。なるほど……」

 


「で、今日は何で呼ばれた?」

「あぁ、今から話す。


 まず、お前は昨日俺たちの手によって自分の能力……【主人公補正】に気づくことができた。感謝しろとか言いたいわけではない。お前にその能力を気づかせたことには理由がある。それは……


『俺の復活』


 だ。」

「それを言うなら『の復活』ね」


「いちいち面倒くさいやつだな、お前は……」

「間違えるアンタが悪い」

 

「ガヴリエルもハーデスも落ち着け。そして俺に質問させろ。

 まず、お前らにとって主人公という点はどういうメリットになるんだ?」


「それを話すには俺の……俺達の復活の仕方について先に話すしかないな」


――――――――――――――――――――――

次回へ続く

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