3-1作品目 胸か尻か選べ……る

モブ「今北産業」

俺氏「マフラー忍者と出会った

   ガヴリエル、ハーデスと出会った

   やっぱり2行で十分じゃん」



 さて、先程まで回想をしていたわけだが。入学式はどこまで進んでいるのやら……


「次は、生徒会長挨拶」


 生徒会長か。俺が主人公な限り、関わる可能性は高いはずだ。覚えておいて損はないだろう。


「ねぇねぇ、キリムさん」


 隣のニケさん?ルミナスさん?何て呼べば良いのやら……取り敢えず、マフラー忍者で。


 マフラー忍者が話しかけてきた。


「ん?どうした、えっと……」


「あっしの名前、長いっすよね。気軽にニケで良いっすよ」


 ホントのこと言うと、名前を忘れたというわけではなく、どの名前で呼べばいいかを悩んだだけだが、どうやら忘れていると思われたらしい。


 マフラー忍者気に入ってたんだが、本人にニケて良いと言われたからにはニケで統一するしかないか。


「そうか、俺もキリムで良いけど……」


「いえ、さん付けするほうが慣れてやすので」


「そっか。で、改めてどうしたんだ?」


「暇なんで喋りません?」


「まぁ、良いぞ。暇だし」


「では……」



「胸と尻、どっちが好きですか?」



「尻だな」


 即答である。ここで尻の魅力を語るのもありだが、流石にやめておこう。またどこか別の機会で……


「ほぅ…?キリムさんは尻派ですか」


「その感じ、胸派と見た。ならば敵だな……」


 ニケ……良いやつだと思っていたのに……残念だ。俺はニケと戦う決心をした。まさか主人公として最初に闘う相手が、主人公として初めての友となろうとは思ってもいなかった。


「えぇ、これはきのこたけのこ戦争並に深い戦争ですぜ……そうですね、『胸尻戦争HOLY・WAR』とでも名付けましょう」


 神妙な顔つきでいうニケ。その顔には俺と闘うことに対しての悩みなど残っていない。本気の顔だ。


「あぁ……って!」



「サラッと話してたけど、もっと別の話題あっただろ!?」



キリム は正気に 戻った。


「いえいえ、これ以上高貴で至高の話題はありませんですぜ?」


「もっと高貴で至高の話題あるって!何の生産性も無いから、その話題」


 俺は至極真っ当にツッコミをしたはずだ。くくく……このツッコミに対してどう出てくる、ニケよ。返し方によってお前の評価は変わるぞ?


「ふむ……確かに、削ぎ落とすという点では生産するというより、逆に消費性がある話題ですね。


 なるほど、削ぎ落とすという点に着目してそんな高度なボケをしたんですね。流石キリムさんっす」


「俺達出会ってまだ数分なのに流石とか無いだろ……それにボケてもないし。


 なりより、削ぎ落とすならどっちが良いとは聞いてなかったぞ?ツッコミ所が多すぎてツッコミが長文になるだろ」


「つまり、簡潔にボケて簡潔にツッコみをさせることにより、会話の飽きを無くすということですか……あ、ちなみに最近の女子の中では『どっちを削ぎ落とす?胸or尻』というラジオが流行ってるんっすよ。覚えておいたほうが良いと思いやすよ〜」


「何だその不穏なタイトルのラジオは。お前の創作だろ。……創作だよな?」


 そんなラジオがあるか、一応調べておくか……


「うーん…ボケツッコミは難しいですね……今後も精進せねば」


「いや、精進する必要はないからな?」


 その後も「ボケツッコミを上手くしなくてもいい」とか「大体、胸と尻どっちが好きか女子が聞くなよ……おっさん臭いぞ」など話していた。


「えー、これをもちまして入学式を終わります」


 モール先生が入学式の終わりを告げた。というか、入学式の進行任されるぐらいには学校側からの評価高いのね、あの見た目で。


「さて、行きやしょうか」


「そうだな。このあとはクラス発表だったか?」


「ええ」





……あ!生徒会長見てない!


――――――――――――――――――――――

次回へ続く

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