1-1作品目 走れキリム
モブ「今北産業」
ワイ「起きた
俺氏主人公
2行で十分だった」
(まずいまずいまずいまずい…)
俺は急いでいた。理由はもちろん、このままでは入学式に遅刻するからだ。初日から遅刻するなんて不良のすることだ。そして、俺は不良になりたくない。だから急ぐ。
「…ん、この目玉焼き美味いな。半熟だし」
「おっ!良かった。作った甲斐があったよ。」
…結局こいつの説明してなくね?
ということで、俺は急いで準備をしながら皆さんに説明しようと思う。
こいつはエルミ。訳あってエルミ・レイターナを名乗っている…いわば、義母だ(こいつを母と思ったことはない。というか、思いたくもない)。
透き通った水色の髪、深い海を思い出させるような碧い瞳。そして、ナニとは言わないが…デカい。
こいつの正体は、体重が20キロとかの話に繋がってくる。隠すことでもないから言うが、こいつは『スライム』だ。
ここで補足しておくが、スライムだからといって別に魔物というわけではない。ファンタジー的存在=魔物ではないんだ。
だが、中には種族単位で魔物なヤツらがいるのも事実だ。ここ、テストに出るかもよ。
さて、丁度準備も終わった。
「行ってくる。また後でな」
「んー、いてらー。後でねー」
「…遅刻するなよ?」
「ダイジョブ、もう既に手遅れよ」ドヤッ
「アウトじゃねーか!!」
キリムは激走した。かの邪智暴虐な鐘の音(チャイムとも言う)が鳴り響く前に着かなければならないからだ。別にセリヌンなんちゃらとか関係ないけど、走れ
「うぉぉぉぉ!!」
〜中略〜
「つ、着いた…えっと、確か新入生は一回一年生の教室で待機だよな…」
お、張り紙がある。何々…?
『番号1〜20 Ⅰ組
21〜40 Ⅱ組
41〜60 Ⅲ組
61〜80 Ⅳ組
81〜100 Ⅴ組
101〜120 Ⅵ組』
………。
番号……何だっけ?確かプリントに書いてたよな…
ヤバい!ど忘れした!どうするどうする…あと5分しか…
「あっ!」
そうだよ!時間がないなら…それを
俺は急いで一年生の教室がある方へ走った。廊下は走るななんて言葉は俺にはもう届かない。
Ⅰ組を見る。…違う。
今回も勘が鋭い人ならわかるだろう…そう、空席のある教室を探してるのさ!つまり簡単に言うと、
空席=まだ来てない=遅刻者の席
ということだ。
次はⅡ組…おっ!開いてんじゃーん。
「セーフ!って…」
俺の目の前には、透き通った水色の髪(以下略)のエルミがいた。
「(やっほぅ〜)」
「(なんてお前のほうが速いんだよ…)」
「(んー、地の利?)」
「(…)」
エルミはこの学園に勤めている先生だ。説明し忘れてたな。ついでにこの学校についての説明もしよう。
《魔術学園セラフィム》、これがこの学校の名前だ。16歳から21歳の5カ年で教育をする、魔術の教育においてはこの国でトップクラスと言っても過言ではないぐらいに設備が行き届いているらしい。
しかし、エルミがここにいるということはこいつ、一年の担当か…
「チッ」
「!?」
キーンコーンカーンコーン
「お、間に合ったのか、良かった。」
「……フフ」
「ん?」
「フーッハッハッハッハッハ!キサマはまんまと騙されたな!」
「な、何ィーーー!!??」
「キサマは空席があるクラスは自分の受験番号のクラスと推理して入室したようだが…ツメが甘いっ!」
「何だと!?」
「教えてやろう!その席はキサマの席ではないっ!別の生徒の席なのだぁーー!!」
「そ、そうだった…のか…くそ…くそぉぉぉぉ!!!」
「はいキリム・レイターナ君遅刻ですねー」
「くそぉぉぉぉぉ!!!」
――――――――――――――――――――――
次回へ続く
※次回はたくさん進むとか言ってたけどそんな進まなかったな…嘘ついたみたいじゃねぇか…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます