第三章 12





用意していたアルフレッドとカミラの手により、粛々とお茶の用意がされ皆が席につく___先程まで修羅場だった森の中で。


「何故わざわざに準備したんだ?生徒会の部屋にでも準備させておけば良かったろうに」

「内緒話だからだよ。それだと前会長アルフォンスさまが嗅ぎつけちゃうかもしれないし、そんな動きにそれこそバーネット嬢が気付かないと思う?」

呆れたように返すアルフレッドにアッシュバルトは返す言葉がない。

「そーいうこと。誰にも気付かれずにこれだけ準備するの大変だったのよ?褒めてもらいたいところだわ」

確かに、いきなり森の中に設えられたにしては椅子もテーブルも簡易なものでなくきちんと揃えられたデザインであるし、また白いテーブルクロスの上に載る物も菓子にしろ軽食にしろ素晴らしい出来映えなのは一目瞭然で、お城で出される物と同等のレベルだしフルーツの盛り合わせまである。

お茶も数種類用意されているようだ。

ティーポットからは湯気があがっていて男性陣にはカミラが、女性陣には何故かアルフレッドがサーヴしていた。


”頑張る方向性が違いやしないか“

と心中で突っ込むアッシュバルトをよそに、アリスティアは“なんだかこの光景、執事カフェみたいだな〜?”と王子なのに美しい所作でお茶をサーヴするアルフレッドを見ながら思う。


最後に自分の分を注ぎ、アルフレッドとカミラが着席すると、

「さぁ、始めようか」

とにこやかにアルフレッドが告げた。


「それで、確認なんだけどアリスの記憶はいつからあったの?」

カミラが口火を切る。

「男爵家に引き取られるのと同時に、ですね。戻ったのは」

周囲はいつに間にか近くなった二人の距離感に目を白黒させているが、当の二人には織り込み済みだ。

そしてこのやり取りはミリディアナに聞かせるためにやっている。

「そ、そうなの……、最初から、こんな娘だと知ってたら……」

未だ呆然としたままのミリディアナが聞きようによってはとてつもなく失礼なことを呟くが、周囲は突っ込まない。

代わりに、

「事前に調査させたのでしょう?でなければあれだけちょうどいいタイミングで“行儀見習いに来ないか”なんて手紙、出せませんものね?」

とアリスティアが呆れを隠さずに発する。

「ごめんなさい……」

ミリディアナは小さくなる。

「確かに私も転生先が悪役令嬢だったら回避に動くとは思いますが、」

「君、充分回避しまくってたじゃん……」

今度はアルフレッドが突っ込む。

「違うのは転生先がヒロインってとこだけどね」

「私はただ降りかかってくる災厄を避けていただけですわよ?」

カミラに返しながらあの時の事を思い出す。






あの時、

「もしかして、何?」

と声をかけてきたのはカミラだった。


そして聞いたのだ。


ミリディアナとカミラには前世日本人だった記憶があり、ただし薔薇オトをやり込んでいたのはミリディアナだけで、カミラはこのゲームの存在すら知らなかった事、八歳の時既に王太子の婚約者になっていたミリディアナが記憶を取り戻し、パニックに陥った時、その頃から仲の良かったカミラがとりあえず話を聞いてみたところ、ミリディアナが悪役令嬢として転生したこと。

その際、ミリディアナより幼いじぶんから前世日本人の記憶があったカミラもそれを打ち明けよき相談相手になったこと、事が次期国王に関わる事だから“自分たちだけの手にはおえない“と王太子達にも全てを打ち明けて助力を請うた事__等々を聞いた。


「勿論、義姉上の話を頭から鵜呑みにしたわけじゃないよ?ただね……、王家にも事情があったんだ」

「アルフレッド!」

「アッシュは黙ってて。こちらの情報開示は当然の義務だし、それを聞いた上でどう行動するかは彼女の自由意思に委ねられているんだからね?改めてわかってないようだから言っとくけど、聖竜の翼を得た彼女を止める術は今んとこ僕たちにはない」

ぐ、とアッシュバルトが黙る。


「王家には、代々伝わる予言__と言っていいのかな、国の存亡を危うくするような事態を記す書があるんだ。」

「予言書、ですか」

私は曖昧に頷く。

魔法が当たり前の世界だが意外にも予言の魔法というものはあまり重要視されていない。

どんな予言も可能性に過ぎず、関わる人々がどう動くかによっていくらでも変わるものだからだ。

実際、強い魔法使いの介入があれば覆される可能性は大いにあがる。

「実際代々引き継がれていること以外は出自が不明の代物だけどね、これがその災厄の起きる時期には記されるんだ」

「__はい?」

それは当たり前なんじゃ?

「誰かが後から記すわけじゃないよ、いつの間にか書き加えられてて、そういう魔法がかかってるらしい。何十年も何も書かれない事もあれば年に何度も書かれてる年もある、そういうものらしい」

そんなものが伝わってるのか。

流石魔法大国、伊達に魔法使い達の理想郷と呼ばれてない。

「けど、勿論起こる事をまんま教えてくれるわけじゃない」

「……表現が抽象的すぎるんだ」

アッシュバルトが苦々しげに繋げる。

「なるほど……」

予言書ですもんね。

アリスティアは前世でいうところのノストラダムスを想起して頷く。


「義姉上が前世の記憶とやらで発狂してすぐその書にある文章が記された。“大いなる災厄が現れ、この地を悉く焼き尽くさん”」

「!それって、」

あの火竜のこと?

あと、いまさり気に発狂って言いました?

「けど、具体的な時期を示す文は何もなく、その災厄とやらがどんな事象を示すのかまるで見当がつかない。そしてこれには続きがあった。“聖なる乙女がその地にいた場合に限り、類い稀なる魔法を発動し災厄を退けられるだろう”」

「…………」

「そして、義姉上の話す“ヒロインが覚醒して発動する魔法”と、聖なる乙女が発動する魔法”というのがもしかして同質のものなんじゃないかって意見が出た」

「っ、でも、あれは__」

そんな筈はない。

だってあれはヒロインが攻略対象の一人と恋をして、その誰かを守ろうとした時点で発動する魔法だ。

魔法名はなかったが、「お願い!あの方をどうか守って……!」とヒロインが祈りを捧げた途端、凄まじい光の柱が立ち、敵を消滅させたという攻略対象との最終イベントで、ここを越えれば二人は晴れてハッピーエンドを迎える。

が、

私は誰とも恋をした覚えはない。

「その表情から察するに“そんなはずない、自分は誰とも恋になんて落ちてないのに”とか、思ってる?アリスちゃん」


「っ?!」

心中を言い当てられて驚いて顔を上げると、目の前にエメラルドグリーンの双眸があって仰け反る。

「っ近いです!」

思わず声を上げると、

「ごめんごめん……でも、君もやっぱりなんだね」

どういう意味?

「話を戻すけど、勿論すぐにそのヒロイン=聖なる乙女ってなったわけじゃないよ?全くその乙女ゲーム?とやらに関係ない人物の可能性だってある。片っ端から探したよ、このレジェンディアを僕たちの代で滅ぼすわけにはいかない」

王子達は必死に探した。

“聖なる乙女”たる人物を。

ミリディアナの話ではタイトルが『伝説の乙女〜薔薇の祝福〜』、通称薔薇乙女をさらに略して薔薇オト、というらしいことからそちら方面からも探した。

この国で伝説の乙女といえばセイラ妃殿下だが、セイラ妃の係累にも当てはまる人物はいなかった。

「それでもヒロインにあたる人物=聖なる乙女って説にはどちらかといえば懐疑的だったよ。僕達はゲームのキャラじゃないし、国の運営もゲームじゃない。災厄が降りかかれば多くの人が死ぬ。僕達だって例外じゃない、だから姉上の記憶もあくまでも情報の一つ、手掛かりのひとつとして捉えてたんだ。入学の一年前までは」


そしてちょうど入学の一年前、予言書に新たな文が追加された。


“災厄は、次代の王が魔法学園に入学してから卒業するまでに起きる”と。


同時期、魔法学園の入学希望者の中からミリディアナの情報を元にアリスティアの存在が浮かびあがり、密かに調査が行われた。

魔力なしの両親から生まれたにも関わらず高い魔力を有し、とびきり美しい容姿を持つ少女だという。

そう報告を受けたアルフレッド達は薄ら寒くなった。


「神という存在がほんとにいて、この世界を模したゲームを作ってこことは違う世界に提供して遊ばせたり、もしくは今僕達がこうして立っている場所こそが神の箱庭で僕たちはただの駒なのかもしれないって、少しね。そんな筈はないけどあの予言書も仕組みが全く理解出来ない事からその神の戯れか憐れみか__」

そう考えたら、腹立だしくなった。

だが、予言書の予言は外れない。

絞り込めたのはそこまでだったがここまで時期が一致すれば、そのヒロイン=聖なる乙女であると答えを出すほかなくなった。

こうなっては“入学試験の結果がどうであれ、そのヒロインとやらを何か理由をつけて入学させなければいい““何なら外国の学園に紹介状を書くなりして国外に出してしまえばいい“とミリディアナを宥めていたアッシュバルトもその言を撤回せざるを得ずまたミリディアナが発狂しかけ__、そうして私への城に招んでおきながら冷遇という訳のわからない状況に繋がる___と。


「馬鹿ですか」

先程猫をかなぐり捨てた私は聞くに堪えず吐き出した。


まぁ、これで好意よりむしろ敵意に近いものを感じるのに国から出さない、入学辞退も受け付けない事への理由の説明がついた。


「本当に__すまない」

アッシュバルトの謝罪にミリディアナが被せるように、

「……貴女に初めて会った時、叶わないと思ったの」

ポツリと呟いた。

「前世で見たスチルなんかよりずっと綺麗で、可愛くて、きらきらしくて眩しくて、私なんか叶わないと思って……」

「昨今の転生ものを見る限り悪役令嬢が愛されるパターンの方が圧倒的に多い上に、ミリディアナ様はその通りずっと過保護に守られてたじゃないですか?」

「それは__けど、私自信がなくて」

「何についての自信がです?」

「容姿も魔力も__友人の数だって、貴女の方が多いでしょう?」

「一緒に火の粉払ってたら出来ただけですよ、友人なんてそんな感じに出来てくものでしょう」

「……ゲーム内では貴女にあんな友人はいなかったわ」

「は?そんな事で私に脅えてたんですか?ハイスペックな悪役令嬢様が?」

「ハイスペックなのは貴女でしょう?!貴女と来たらゲーム内よりずっと完璧じゃない!魔力が強くて可愛いだけじゃなくマナーやダンスも完璧、ドラゴンと戦闘だって単独でやっちゃうし学園で孤立もしないし弱点どこよ?!これが脅えずにいられるっ?」

「なんですかそのアニメの悪役みたいな台詞は?!」

「弱点がなければ助けなんか要らないじゃない、手を差し伸べようにも貴女求めてこないし!わかってるけど、最初助けを求められないようにしたのは私だから!アルフレッドは最初から反対してたの!」

だんだん令嬢より“ゲームをやり込んだ女の子”の意識が強く出てきたらしいミリディアナだが言いたい事はとどのつまりアッシュバルトと同じらしい。

「アルフレッドの、本意じゃなかったのよ……」

アルフレッドは本気で私を思ってるのだと、最初の失敗は自分のせいだと言いたいらしい。


なんとなくそれが面白くなくて、

「ミリディアナ様、王太子じゃなくてアルフレッド推しだったんですか?」

と言ってやると、

「違うわよ!私は前世でも今世でもアッシュバルト様だけを__っ…」

「……へぇ?」

頬を染めるミリディアナの横で耳まで赤くなっているアッシュバルトのツーショットを半眼で見つめながら言ってやりたかったが、

「いいかげんにして?そこの馬鹿ップル」

「アルフレッドに激しく同意だわ馬鹿ップル」

私が発する前に二人に言われてしまったが私もそのまま続ける事にした。


「で・そこの馬鹿ップルさんに確認なんですが要するに私に恋愛的に好かれては困るけど、いざって時は力を貸して欲しいので強引に学園に入学させてとにかく生徒会に入れて囲い込みを図るも私が中々“イエス“と言わないので毎日周りを(主にアルフレッドが)うろちょろして没交渉にならない程度に接触を図って妃狙いのご令嬢がたに私が攻撃される状況を作り、恨みを買った自覚があるからたまたま王族の暗殺未遂の現場に居合わせた私を犯人だと決めてかかったり、自分達以外の異性と必要以上に交流持たれても不都合だからヴィオラ先生との接触を意図的に阻んだりしてみた___と、いう事でよろしいでしょうか?」

改めてずらずら並べられてみるとやらかし具合が酷い。

アルフレッド達はいたたまれず、揃ってうな垂れた。

「それについては、ほんと、ごめん……」

ずるずるとアルフレッドが這い蹲るように頭を下げ、

「けど、オルフェレウス・ヴィオラと引き離したのは正解だったよね?……確認なんだけど、君奴の事好きだった?」

「……敬愛はしてました」

男女の恋愛感情ではなかったと思うけど、彼の美声と相まって一緒にいて心地いいとも。

「じゃあもし奴に熱烈にプロポーズされて生国に共に来て欲しいって言われたら行ってた?」

「……なんですかそのやけに具体的な例えは」

これにはアリスティア以外の面々が”え?“となる。

「攻略、してないの?」

おそるおそるミリディアナが言う。

「え?ヴィオラ先生って登場キャラだったんですか?」

「登場キャラの中ではメインと張るほど人気だった隠しキャラじゃない!知らなかったの?!」

「えっと……言ってませんでしたっけ、私あのゲームってさらっと二巡したくらいで隠しキャラどころかメインもオールクリアしてないんですよね」

「えぇぇっ?!」

「あ なんだ、そっか……」

“叫び”ポーズのミリディアナをよそに、安堵で微笑むアルフレッドの笑みがいつになく屈託ない少年のようで少し驚く。

「もしかして隠しキャラだったから妨害してたんですか?」

「うん、まぁ。駆け落ちされても困るし、」

歯切れの悪いアルフレッドにこれは言いづらい結末があるんだろうな と判断して、

「バッドだとどんな終わりになるんですか?ミリディアナ様」

と聞いてみるがミリディアナの返事は、

「え?」

で他の面々も、

「「「「は?」」」」

だったので、

「え?」

何か変なこと言った?


「ヴィオラ先生のルートにバッドなんてないわよ!隠しキャラなのよ?!溺愛オンリーに決まってるじゃない!」

決まってるのか、それは知らなかった。

「じゃあ、なんで?」

バッドがないのなら駆け落ちというか、国外に出る時期を卒業後になるようにさえ出来れば放っておいても構わなかったんじゃなかろうか。

真顔でそう問えば、

「………」

アルフレッドは無表情で沈黙し他はそんなアルフレッドを気の毒そうに見つめる。

「___君ねぇ」

いっそこのままキスでも決めてやろうかと唸るアルフレッドを押し退けて、

「貴女には推しキャラとか、いなかったの?」

「いなかったですね、特に」

「話が逸れすぎだよ、カミラ」

淡々と頷くアリスティアにここをこれ以上掘り下げられたら平静を装えなくなりそうで強引に話を打ち切った。

「で、話を戻すけど君の言う通り僕たちは君に王太子妃の座を狙われては困るけど聖なる乙女としての役割を求めた。何の事情も話さずに、卑怯だよね」

「全くですね」

自嘲めいたセリフはフォローされることなく肯定され、

「何の説明もなくそんな役目振られたってどうかできるわけないじゃないですか」

「だよねー」

冷や汗が背を伝う。


「ついでに言えばその仮定を踏まえた上での行動があの初っ端王宮でのやらかしなら悪くしたらこの国終わってますよ?お花畑ヒロインなら“なんで私がこんな目にっ!”ってヒス起こして勿論そんな状態で覚醒なんかするわけないし。ヒス起こさず冷静に“何だ、王子様達って実はこんなに意地悪なんだじゃあもういいや”ってさっさとヴィオラ先生の生国に渡るか悪くすれば“そうだ、復讐しよう”って他国の王族と組んで敵に回ってたかもしれませんよ?普通、好ましい存在と思っていなくとも利用価値があると認めて手元に留めようとするならせめて大事にするふりくらいするものです。それを、あんな始まりを作りあげておきながら実は助けて欲しかったんだ、とか言おうものなら、」

「「「「「ものなら?」」」」」

ごく、と唾を飲み込みながらユニゾンする王子達ににアリスティアは現実を突きつける。

「“その災厄とやらでこんな国滅びてしまえ”と返されるぐらい、最悪です」

アルフレッド達は返す言葉がない。

実際、そうなってたかもしれない。

あの宮の惨状を伝えることが出来ず、傷物にされた挙句魔法学園に入学し、生徒会に共に入ったとして、最低限の対応しかされず、傷ついたまま不満と不安とを抱えたまま進級し災厄が降りかかった時にそれが一気に爆発したとしたら。


「君は、」

「貴女は、」

同時に口を開いたアルフレッドとカミラだったが互いの顔を見合わせ、

「どうぞ」

とカミラが譲った。

「いや、あの時僕らと違ってカミラは近くにいたでしょ?ーー譲るよ」

「わかった。あの時、何で助けてくれた、ていうのは正しくないわね、どうして助けようとしてくれたの?貴女のいう通り__私達は、最低だったのに」

きょん、とアリスティアは目を見張る。

この国を救うとか、王子様を助けるとか、そんな大仰な事を考えてたわけじゃない。

ただ、

「__らしくないと、思ったんです」

とだけ答えた。

「どゆこと?」

「あんなに傲慢で、思いやりがなくて、女性に親切ですらなくて。なのに好かれて当たり前で自分たちの要求が拒否されることなんて微塵も考えてない自信に溢れた人達が、必死になって、死にものぐるいで、でも全力で守ろうとしてるのも本当で。なのに防戦一方で、あれじゃ生徒達が逃げる時間は稼げても__、」

力尽きて、終わってしまう。

そう思ったら、自分に出来ることはしなくちゃと。

考え始めたらノエルと目が合って、声が聞こえて、気がついたら行動していた。


それを聞いたアルフレッドは、

「……そっか」

とどこか痛そうに笑ったが、他の四名は何とも形容しがたい顔で石化していた。結果はともかく言われてる内容が真面目にけちょんけちょんにこちらを落とすものだったからだ、自業自得だが。


ヒロインが彼女でなかったら、黙って耐えて、知らず取り返しのつかない傷を負わせてたかもしれない。

聖なる乙女が彼女でなかったなら、災厄の時に見捨てられていたかもしれない。

アリスティア・メイデンだからこそ、未曾有の災害の最中伝説の王妃の遺言を受け取って、聖なる竜の翼まで得られたのだろう。


悪役令嬢という枠に囚われて踏み外した行動を取ってしまったミリディアナ(結局はそれはアリスティア・メイデンという人物を把握する事を多いに阻害するものになった事は否定出来ないが)と、ヒロインという枠を蹴飛ばして自分らしく生きようと足掻いて行動し、誰にも恋なんてしないと決めてしまった、アリスティア。


真反対のようで根っこは似た者同士なのかもしれない。


だが、誰かに恋をしたからでも、救国の聖女になりたかったからでもなく、彼女が彼女だからこそ出来たこと、もたらした結果をみればそれはアリスティアの生き方を否定なんてしようがなくて。

「やっぱり、君は俺が生きてきた中で見た誰よりも素敵な女の子だよ、アリスティア・メイデン」












































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