第23話 まだ泊まるとか聞いてないよ?(下)
「お疲れ様でした」
「「「「お疲れ様でした」」」」
「やっと終わった……」
「お疲れ様」
案の定と言うか、やはり部活中も何人か聞きたそうにしていた。玖珂先輩のおかげで聞いてくることはなかったが、視線をずっと向けられ続けていたので、精神面で疲れた。
俺はまた図書館で待っているアイリスのところに早く逃げたい一心で制服に着替える。
後片付けをしている生徒には悪いが、一足先に弓道場を出て早足で向かう。
(今日の夕ご飯何にしようかな)
俺は基本苦手な食べ物はあるが、嫌いな食べ物はない。何でも食べれる。
今日は華神の食べたい物でも作るか、などと考えながらアイリスを見つけると、そこにはアイリスともう1人、よく知る少女がいた。
「なんで志緒理がいんの……?」
アイリスの隣には志緒理がいた。
「私も一緒に帰る」
「は?でもお前、途中で別れるだろ?」
「?今日も泊まるよ?」
「…………え?」
今こいつなんて言った?今日も泊まる?まじで?聞いてないよそんなこと?
「ん、今初めて言った」
「心を読むな、先に言え」
今日はどうやら三人分の夕食を作らなければならない様だ。
「お前、親に言ったか?」
「昨日言ってある」
「おい、それ昨日から今日も泊まる気だっただろ」
「おぉ、よく分かったね。エスパー?」
「ふざけるのもいい加減にしろ」
俺は一向に真面目に話さない志緒理に、怒りを込めて頰をつねった。
「あひゃと、いふぁいいふぁい」
「お前はいい加減報連相をしろ」
「わふぁった、わふぁったふぁら、やふぇて」
しばらくして解放すると、少し拗ねた様にこちらを見ていたが、もちろん無視した。
(Are you on good terms?)
(仲がいいのかな?)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます