第22話 いや、まだ泊まるとか聞いてないよ?(中)

「疲れた………」


結局、いろんなやつから問い詰められた。

同級生や先輩方にここまで問い詰められると思っていなかったため、天使様ファンは恐ろしい。情報が一瞬で知れ渡るのは怖いものがある。


「あははっ、お疲れ様。綾斗」

「本当に大変だったね。はいこれ、珈琲」

「美空笑いすぎ。薙亜ありがと」


楽しそうな美空は置いといて、一先ず珈琲を飲む。あぁ、落ち着く。


「で、俺が疲れる原因になったグランさんや。何か言い訳がありますかね?」

「いや、あそこまでとは思ってなかったからさ」


視線を逸らしながらそう言うグラン。


「はぁ」

「気落ちしてるとか悪いが、まだ昼休みと放課後があるぞ」

「……………………–––––––––––」ゴンッ

「!?だ、だい、じょうぶ!?」

「ありゃ、不貞寝してる」

「そっとしておこう」

「………俺が言えた義理ではないが、すまん」


本当にな。もう帰りたい………。



§



「大変だったんだな」

「本当に。このまま死ぬのかと思ったぐらいで……」


部活。俺は袴に着替えながら玖珂くが先輩に今日の出来事をを愚痴っていた。


「結局、昼休みも聞いてくるやつが何人かいて、何とか追い返したはいいものの、すぐに別のやつが来て大変でした」

「お疲れ様。ここではそうならない様に、私の方から注意しておくよ」

「助かります」


やはり、頼れるのは先輩だな。前回今回と逃げていたやつとは大違いだ。


「ところで綾人君」

「はい?」

?」

「–––––大丈夫ですよ」


少しぎこちないが、今は、これでいい。

これ以上、先輩に迷惑はかけられない。


「そうか。何かあれば相談してくれ。私でよければ相手になるから」

「はい。ありがとうございます」


そう。、これでいいんだ。

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