第21話 いや、まだ泊まるとか聞いてないよ?(上)

「「ごちそうさまでした」」

「おう、お粗末さんでした」


あの後、身支度を済ませた志緒理とアイリスと共に朝食を食べた。例の如くアイリスは始め10分は恥ずかしさで何も話さなかったが、食べ始めたらいつの間にか元に戻った様だ。


「んじゃ、先に行っててくれ。戸締りとかしとくからさ」

「ん、分かった」

「さきに、いっとくね」

「行ってきます」

「いって、きます」


2人を先に行かせた後、食器を洗い、戸締りを確認し、学校指定の鞄を持って家を出る。


「行ってきます」


誰も居なくなった、静かな



§



「昨日はどうだった?」


教室に着いたら、すぐさまグラン達男子のクラスメイトに捕まった。


「……何のことだ?」

「隠さなくていいんだぞ。お前が昨日天使様と帰ったのはちゃんと知ってんだから」

「そーだぜ、俺ら知ってんだから」

「…………………………あのな?」

「そーそー、話して楽になろうぜ?」

「…………………………いやさ?」

「ほーら、言えよー。付き合ってんのかー?んんー?」

「…………………………聞けよ?」

「幼馴染の妖精だけでなく、天使様も狙ってんのか?んん?」

「…………………………はぁ」


ダメだこりゃ。話聞かねーわ。


「さて、綾斗で揶揄うのはここまでとして––––」

「「「「やめねーぞ?」」」」

「いや、やめたれ。てかマジでやめよーぜ?」


止めようとするグランに止めようとしないクラスメイト(男子)。しかも女子は向こうでアイリスに詰め寄ってるし。カオスだわ。

と言うところで予鈴が鳴る。


「「「「チッ」」」」

「よし、席戻ろーや」


生き延びた。まぁ、まだ休み時間があるから何も言えんが。ガンバルカー。


担任が入ってきて朝礼を始めるのを見ながら、読書をするのであった。






「本、しまいましょーねー?」

「うぉ!?」

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