第16話 関係性ですか?
だいぶ遅れましたが明けましておめでとう御座います。今後とも作者夜ノ音と「隣におられる天使様がルームシェアの相手とかマジですか?」を宜しくお願いします。
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「あやと、よかった、の?」
帰り道の途中、アイリスが聞いてくる。恐らく志緒理に説明しなければならない事だろう。
「あー、微妙。まぁ、知られるなら良い方かもしれないし、話しといた方が後々に響くと思うと言うか……」
うん、微妙だ。
「あやとは、さっきの、ひとと、しりあい、なの?」
「知り合いとかじゃなくて、腐れ縁とか、幼馴染だな」
「おさななじみ」
「そ。家が近いのと父親同士が友人で、昔はよく会ってたんだよ。幼稚園小学校中学校とずっと一緒なのもあるが」
今思い返せば、俺は高校に上がるまで志緒理といた時間が多い。
「……そっか」
返事をするアイリスが少し気落ちした様に見えるのは気のせいかな。気のせいだよね。
「ところで、華神はどこか行きたい所ある?」
そう尋ねるが、なぜ?とでも良いたげに首を傾げる。
「そりゃ、志緒理達の前で案内すると言ったからにはやるしか無いだろ?」
「いいの?」
「あぁ、気にするな」
この街に来たばかりなのに案内しないのは悪いし、何よりもアイリスを嘘つきにはしたくないしな。
「じゃあ、いえのまわり、あんない、して」
「おう、任せてくれ」
そう答えた俺に、笑うアイリス。
たとえ俺が不幸になろうとも、この笑顔だけは守りたいと思った。それが俺の、唯一残ったできること、だから。
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