第9話 学校での関わり方ですか?
その後、大急ぎで準備して登校した。
学校までは家から徒歩で10分程度の距離であるため、早歩きすれば朝のHRには間に合う。だから、時間はあまり気にする事ないのだ。そっちより、こっちの方を対処しなければならない。
「……うぅ……」
さっきから隣で唸っているアイリスを。
「さっきも言ったけど、気にしなくていいからな。朝起きれないなら目覚まし時計買うし」
「……それも、あるけど。あんな、変なこと…うぅ……」
ダメだこりゃ。完全に恥ずかしがってるよ。
あー、悩んでる場合じゃないんだけどなー。
「恥ずかしがってるとこ悪いんだけどさ、ちょっといいか?」
早く言っとかないと目的を果たせそうにないため、俺はそう切り出した。
§
「あれ、綾斗じゃん。おはよ、今日は遅く来たんだ」
下駄箱で靴を履き替えていると、グランが話しかけてきた。
「ん、はよ。小説読んでたら遅れた」
「相変わらずだなぁ」
「うるせ、そっちは朝練か?」
「おう、運動部は朝から大変なんだよ。お前と違ってな」
「はいはい、お疲れ様」
などとグランと雑談しながら教室に行く。うちの高校は部活にも力を入れていて、運動部なんか週5で朝練がある。ちなみにグランはバスケ部。理由はモテたいからだそうだ。分かりやすいよな。
教室に入ると既に多くの生徒がおり、友人と談笑してるやつや、読書してるやつ、中には宿題を終わらせようと頑張ってるやつがいる。
グランと別れて自分の席に行くと、アイリスが読書していた。
「おはよう、あやと」
「あぁ、あはよ華神」
––––––––––––––
「ここから、わかれて、いく、の?」
「そう」
俺が提案したのは、もちろん登校時間をずらすこと。行く途中で目撃されたら俺の学校生活終わるからな。ルームシェアしてるなんて、知られるわけにはいかない……。
「ん、りゆうは、わからない、けど、わかった」
アイリスは首を傾げながらそう言った。
「理由は帰ってから言うから、とりあえずは頼む」
「ん、かえった、ら、きく。ちゃんと、せつめい、してね」
「あぁ、了解」
––––––––––––––
と言う会話をした後、俺は遠回して登校した。朝早くした方がいいって?それだと朝練しに来た生徒に発見される可能性がある。
オーケー?
家を出る時間も調整しないとな……。
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