第4話 ルームシェア相手ですか?中
その後、先生にこってりと叱られた俺の隣の席の状態は–––––
「趣味は何?」
「何が好き?」
「何か得意なことある?」
うん、分かっちゃいたがめちゃくちゃ人が寄ってんな。ま、こんな美少女に興味を持つのは当たり前と言える……のか?腰まで伸びている銀髪に藍色の瞳。そして、整った顔立ち。うん、美少女だ。
こん中に行くのかー………、やめよう。このまま机に突っ伏して寝ようかな。
「じー……」
ダメでした。視線だけでなく、なぜか袖を引っ張られてます。困った顔で。
俺まで注目されてるよ……。
「あー、なんだ、そのー……」
何か言おうとしても、何も思い浮かんでこず、言い淀む。しばらく悩んだ後、何となく出てきた言葉があった。
「えーっと、聞かれたこと翻訳しようか?」
と聞いても、首を傾げた。あ、英語にした方が良いのか?
「Shall I translate it?」
(俺が翻訳しようか?)
目を大きくして驚いた後、首を勢い良く縦に振った。
……面白いな。
その光景が少し面白くて、ちょっと笑ってしまった。それに気付いたのか、頬を少し膨らませて目線で抗議してきたので謝っておいた。
その後大量に翻訳して疲れました。
何で質問が絶えないんだよ……。
§
「…………」
放課後、案の定俺は机に突っ伏した。翻訳に頭使いすぎて頭痛が……。
「だい、じょうぶ?」
「うぅむ……」
隣からアイリスが話しかけてきたので返事をしようとしたが、うめき声しか出なかった。
「あはは。大丈夫だよ、アイリスさん」
笑いながら俺たちの近くに来たのは、髪が肩ぐらいまであり、黒髪の日本人の少女。
名前は
このクラスの副委員長で吹奏楽部所属。活発でいつも面倒事を俺に持ってくる迷惑人。
「何の用だ、美空」
「いやー、必死に翻訳している姿が面白くてねー。お疲れ様ー」
「大変だと分かってんなら助けろ」
「えー、やだよ。面倒臭いし、利点が無い」
「そう言うと思ったよ……」
こいつ、本当にいい性格してるな……。うつ伏せになった俺をニヤニヤしながら見てるし。
おろおろしてる転校生に紹介するのやめようかな……。でも、一応紹介して––––
「よく、わからない、けど、イジメは、ダメ」
胸の前で両手を握りしめてそう言ったアイリスに、俺と和花は目を点にしてアイリスを見た。当の本人は凝視されている事に首を傾げている。
「あー、帰るわ」
「え、ちょっと!?私が悪いの!?」
気まずい空気は嫌だ。とっとと帰りたい。後、お前が全部悪い。
和花はアイリスに弁解をしているが、ほっとこう。
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