文章チェックのヒント

コラム① 投稿を小分けして読者を増やす

　せっかく文章を磨（みが）くからにはPV（閲覧数）を増やしたい、高評価されたいと思うのは、書き手として当然だと思います。

　ということで、今回はそのお話です。

　先に申し上げておきますが、別に珍しいことを言いはしません。確認程度のものです。

　万人受けするテンプレ要素や性描写、Web小説独自の流行など、考慮に入れたいことは色々ありますが、とりあえず試（ため）すべきだと私が思うのは、中編以上の小説の場合は、１～２日くらいの短い頻度で定期的に更新することです。

　おそらく、１日当たりのPV数がランキングに反映されたり、それによってホーム画面の「注目の作品」に選ばれやすくなったりするせいだと思いますが、ともかく、そうするだけでPVが伸びやすくなります。

　逆に言えば、良作であっても、数話、あるいは最終話までまとめて投稿してしまうと、PVがあまり伸びない傾向にあるようです。

　もちろん、一度書き上げた小説をちまちまと小出しにするのは、書き手としては大きなストレスになると思います。

　読者を焦（じ）らしているようで、不誠実に感じるかもしれません。

　ですが、作品に磨（みが）きをかける上でも、良いことがあります。

　定期更新だと、その日投稿する部分を特別に意識することになるので、それだけじっくりと推敲することが出来るのです。

　小説とは、投稿した後になって誤字脱字や不自然な表現に気付くことも多いもの。

　そして、アイディアとは、ふとしたときに閃くものです。

　一気に投稿してしまうのではなく予約投稿に設定することで、改善点に気付くための時間と余裕を作ってみるのも良いものです。

　ちなみに、カクヨムに用意されている全ての自主企画に注意書きとして書いてあることですが、「同じイベントに参加している人からの作品への評価はランキングに反映されません」。

　そのため、ランキングで上位を目指す場合、ある程度PVとレビュー（☆）が溜まった後は、作品を自主企画に参加させない方が良いと考えられます。

　特に「何でもいいから置いていってください」系の自主企画は、参加者がやたら多く、企画自体では読者の獲得を見込めない上に、仮にPVが伸びてもランキングに反映されないおそれがあるので、参加しないのが吉でしょう。

　私見ですが、ああいうものは企画の参加者たちが主催者の作品にふらりと立ち寄ることを狙（ねら）ったもので、基本的に主催者しか得（とく）をしないはずです。

　同じ理由で、「○○コンテストに参加している作品募集」、「○○コンテストに向けて読者を増やしたい人集まれ」、「ランキング上位（あるいは書籍化）を目指す作品の本棚」系の自主企画も、（主催者たちは善意のつもりかもしれませんが）一種のトラップです。

　当然ながら、テーマや読者層がはっきりしている自主企画なら、新たな出会いもあるでしょうし、単純に読者を増やしたいだけならそれで何の問題もありません。

　同じ自主企画の参加者からレビューコメントを貰（もら）えば、それをきっかけに自主企画の外からも読者が集まってくれるとも考えられます。

　ただ、作品によってはランキング上位を目指した方が効率よく読者を獲得できる場合があり、その際に自主企画の制約が邪魔になることも考えられる、というお話です。

　くれぐれもご注意ください。

（※注）この小論が毎日更新でも定期更新でもなく、数話をまとめて投稿しているのは、PVを伸ばすことを放棄しているからです。

　この小論が想定している主な読者は、私をフォローしてくださっている方々や、私が批判的なコメントを差し上げたことのある方々です。

　また、小説やエッセイと違い、この小論の目的は、読者の皆さんに楽しんでもらうことではなく、いち早く文章チェックのヒントを得てもらうことです。

　そのため、PVを伸ばすことよりも、書き上がったものをなるべく早く投稿することを優先しています。