接続詞② 副詞で予告する

 これは接続詞の話ではなく、副詞の話とするべきかもしれませんが、ともかく、今回は接続詞に合わせて副詞で予告を入れると読みやすくなりますというお話です。


「Aだが、B」

→「もちろん、Aだが、B」

 「たしかに、Aだが、B」

 「別にAなのではなく、B」

 「当然Aだが、B」


「Aとは思わないが、B」

→「まさかAとは思わないが、B」

 「私とてAとは思わないが、B」


 例を挙げればキリがないのですが、ともかく、こういうような話です。


 日本語の性質上、打ち消しや否定の語(英語で言うnot)が(述語に伴って)文の後方に来ることが多く、読者にとっては文全体の性質が見極めづらくなりがちです。

 そのため、なるべく早い段階で逆接の接続詞を予感させる言い回しをすることで、読みやすい文章を書くことができます。


 もちろん、「もちろん……だが」、「たしかに……だが」という構文を使うと、レポートや論文のように理屈っぽい印象になることがあります。

 特に会話文では、発言者に理知的な印象を持たせたい場合以外は、あまり使わない方が良いかもしれません。

 逆に言えば、副詞による予告を入れず、1文を長くして句読点を省くと、感情で物を言いがちな人間の語り口にすることができます。


「どの学校にも七不思議があるっていうのは漫画やライトノベルの話であって大抵の学校にはそんなものないと思うんだけど、中学生・高校生くらいの年頃だと憧れる人もいるのか、俺の学校にはそういう噂話があった」


 仮にこれを分かりやすくするなら以下のようになります。

 本当はもう少し情報を整理したり、1文を短くしたりすべきなのですが、副詞で予告することの効果をお見せしたいだけなので、手早く済ませます。


「どの学校にも七不思議があるっていうのは漫画やライトノベルの話であって大抵の学校にはそんなものないと思うんだけど、中学生・高校生くらいの年頃だと憧れる人もいるのか、俺の学校にはそういう噂話があった」


 再三申し上げている通り、Web小説では分かりやすさが重要ですので、なるべく読者が読みやすいように、文の全体像を捉えやすいように、工夫を重ねていただければと思います。

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