接続詞① 接続詞を減らす

 これまでの話もそうでしたが、接続詞の使い方にしても、多くの方は「そんなの分かってるよ」とおっしゃると思います。


 ご存じの通り、接続詞はいくつかの種類に分けられます。

 順接、逆接、並立、添加、対比、選択、原因・理由の説明、言換、例示、転換などですね。

 具体的にどの言葉がどこに分類されるかという話は、学校時代の国語の教科書がお手元にあればそちらを、なければ適当なネット記事をご確認いただくとしましょう。


参考:小論文添削ポトス「接続詞について(一覧と解説)」(https://pothos.blue/setuzokusi.htm)


 文章チェックのヒントとして、私から申し上げたいポイントは2つ。


 1つは、接続詞はなるべくけずることを心掛けること。

 逆から考えれば理由は明らかだと思いますが、「だから」、「それで」などの順接の接続詞、「そして」、「それから」などの添加てんか(情報の追加)の接続詞は、入れようと思えばいくらでも入れられてしまいます。

 当然、高頻度で「そして」を連発している文章は、読みにくくてたまりません。

 なるべく削るつもりで、本当に必要な場合や、情報やその強調点を分かりやすくする場合にだけ使うようにしましょう。


 もう1つは、同じ意味合いの接続詞が連続する書き方を避けることです。

 これは私自身がやりがちな失敗なのですが、逆接の「だが」、文と文をつなぐ「~(である)が」などは、いつの間にか連続してしまっていることがあります。


 ご存じのように、「AだがB」構文では「B」が強調されます。

 「AだがBだがC」の場合、Bを挟んだAとCが同じ種類の内容のはずなので、強調点が分かりにくくなります。


 このような場合、情報を整理することで、接続詞の連続を避けられます。


「Aだが、B。だが、C」

→「A、C。だが、B」あるいは「B。だが、A、C」


「Xさんは学業成績が悪いが、時として意味深長なことを言う。だが、抜けたところがある」

→(a)「Xさんは学業成績が悪く、抜けたところがあるが、時として意味深長なことを言う」

 (b)「Xさんは時として意味深長なことを言うが、学業成績が悪く、抜けたところがある」


 ざっくり言ってしまえば、(a)は「Xがバカではない」ことを強調しており、(b)は「Xがバカである」ことを強調しています。


 もちろん、文章を重ねていると、接続詞の連続を避けられない場合もありますし、小説の場面によっては避けない方が良いこともあります。

 しかし、情報を思いつくままに書いていたのでは、めちゃくちゃな文章になりかねません。

 文章をチェックしていて、ごちゃごちゃして見える気がしたときには、接続詞をひとつの足掛かりとしながら、文章内の情報を整理することを意識してみてください。

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