第26話 桜田凛花との生配信
今日は、Vtuberの桜田凛花さんとのコラボ配信の当日。
俺は、パソコンの前で待機している。
配信開始までは20分ほどあるのだが、緊張からか少し早めに準備していた。
「緊張するな……」
このコラボにあたって、凛花さんの動画や配信のアーカイブを見漁ったので、大体の人物像は掴めているのだが、実際に話すのは初めてだ。
配信の予約画面には、すでに待機してくれている視聴者さんたちがいる。
そして、配信開始の10分前になると、通話がかかってきた。
相手は桜田凛花である。
『これ、聞こえてるかな?』
「はい、聞こえてますよ」
綺麗というか、可愛いというか、女の子らしい声が聞こえてくる。
『おお、良かった。初めましてだね。桜田凛花です!』
「タカモリです。今日はよろしくお願いします」
とても親しみやすい人だと思う。
何というか、人との距離の詰め方が上手いと思う。
『よろしくね! まさか、世界一の人と一緒にゲームができるとは思わなかったよ。足ひっぱちゃうかもしれないけど』
「大丈夫ですよ。ゲームは楽しんでやるものですから、気楽にやりましょう」
『ありがとうね』
凛花さんと少し話していると、配信開始の3分前になった。
・32890人が待機しています
俺の配信予約の画面にはそう表示されている。
凛花さんの方は、俺の倍近くの人数が待機していると表示されていた。
さすがは、人気のVtuberである。
『みんなー、こんばんは! 今日は世界大会優勝したプロゲーマーのTakamoriさんとプロホプルやって行くよー』
「タカモリです。凛花さんと楽しんでプロホプルやりたいと思います」
配信開始と同時に、コメントは流れ続ける。
それはもう、目で追えないほどである。
『じゃあ、早速一戦目行ってみよう!』
一戦目の開始の画面をクリックする。
「今日は、ちょっと優しめの所に降りましょうか。このピンの所行きましょう」
『うんうん、了解!』
俺は初心者でも比較的、物資の漁りやすい場所を選んだ。
ここは降りる敵が少ないので、激戦になることは少ないのだ。
「僕はここの家漁ります」
『じゃあ、私はその隣の家に』
俺はショットガンとアサルトライフルを手にれた。
そこから、手榴弾や回復のアイテムを拾っていく。
「うーん、狙撃ないかなぁ」
一番得意な狙撃銃がなかなか落ちていない。
『ここ、狙撃ありましたよ』
「お、もらっていいの?」
『はい、私は持ってるので』
「助かるよ」
俺は凛花が言った場所で狙撃銃を拾った。
「さて、物資はどんな感じ?」
『結構充実してます』
「回復とかもある?」
『はい! 拾ってます!』
「じゃあ、移動しますかー」
ここの家は大体漁ってしまった。
どうやら敵も居ないようである。
銃声もしなければ足音もしない。
「俺、車持ってくるわ」
このゲームには車というアイテムがある。
走るよりはだいぶ効率的に移動できる。
その反面で、銃弾を一定以上浴びると爆発して使い物にならなくなるし、巻き込まれて死ぬ可能性もある。
「はい、乗って」
『了解です』
俺たちは車に乗って移動を開始する。
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