第25話 コラボ配信に向けて
俺は、生配信の頻度を増やしていた。
今日も、夜の時間帯に生配信をやっていた。
同時視聴者数は1万人ほどだ。
これでも、十分多い方である。
「これ、俺が撃たれてんな」
明らかに銃弾がこちらに飛んできている。
「どこだー?」
俺は回復を入れながら、索敵をする。
「あー、あの塀裏か。ギリギリ当たんないんだよなぁ」
アサルトからスナイパーに切り替える。
「頭出せー」
相手が頭を出す瞬間を狙っている。
「それじゃあ、当たんないよー」
向こうからの射線は完全に切ってある。
「よし、やったやった」
相手が頭を出したその一瞬で、スナイパーの弾丸が頭を撃ち抜いた。
ヘッドショットを食らって、相手は即死した。
【うっま】
【今の当てるのかよ】
【最近のTakamoriさん気合い入ってんなー】
コメントが一気に流れて行く。
「移動しますかー」
安全エリアが縮小されたので、移動を開始する。
「これ、勝てるかなぁ」
敵はあと5人だ。
「ちょっと、攻めるか」
そう言うと、俺はアサルトを構えて突っ込む。
流石に、相手もそれを見逃してはくれない。
弾丸が飛んでくるが、それよりも早く、相手の体力を削る。
「よし、あと三人か」
射線を切って回復を入れる。
「見つけた。まだ、気づかれていないな」
相手は俺の一番に気づいていないようである。
「回っていくか」
俺はぐるっと回って、相手の背後を取る。
そして、気付かれないまま相手に弾丸を浴びせた。
《Champion》
パソコンの画面にそう、大きく表示されている。
「よっしゃ!」
誰も居ない部屋で俺はガッツポーズをする。
【さすが!】
【うますぎ!】
【やっぱ、ソロでも強いなぁ】
「みんな、ありがとう」
俺はコメントを拾って行く。
「じゃあ、今日はこれで配信は終わりにしようかと思うんだけど、最後にお知らせがあります!」
今日の配信はこのお知らせが、目的だった説まである。
【お、気になる!】
【なんだろう】
「みんなは、桜田凛花さんっていうVtuberは知ってるかな?」
【もっちろん!】
【凛花ちゃん、めっちゃファンです!】
【俺も、いっつも配信見てるVtuberだ!】
さすがは350万人以上の登録者を持つ、Vtuberだ。
俺の配信の視聴者さんも、ほどんどが名前を知っているようである。
「そうそう。その桜田凛花さんと、今度コラボ配信することが決まりました! 一緒にFPSの生配信予定です!」
そういうと、一気にコメントが流れる。
【これは、期待!】
【凛花ちゃん、FPSとかもするんだ!】
【楽しみすぎて禿げる】
【莉央ちゃんの次は、凛花ちゃんとかやるなー】
「一応、今週末の予定なので、良かったら見てね。俺のチャンネルと凛花さんのチャンネルで配信するから」
【必ず見ます!】
絶対見るという、好意的なコメントが圧倒的で安心した。
「じゃあ、またSNSなどでも告知するので、そっちのフォローもよろしくお願いします。じゃあ、またね」
俺はそう言って、生配信を終了した。
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