第20話 ざまぁされた幼馴染み①
翌日の出来事である。
高校生プロゲーマーTakamoriとリオの生配信は多くの注目を集めていた。
SNSでは日本のトレンド1位を獲得するほどである。
ゲーム業界はもちろんのこと、さまざまなメディアで取り上げられた。
動画投稿サイトでは、生配信の切り抜きが165万回再生と驚異的な再生回数を叩き出した。
きっと、これからさらに伸びることだろう。
「もう、なんなのよ! あの浮気ヤロウ!!」
えまは自室で、ベッドに拳を叩きつけていた。
彼氏に浮気されていたのだ。
それも、よりによって、自分の友達だと思っていた人と浮気したのだ。
「許せない!! SNSに書いてやる!!」
そう思って、えまは自分のSNSアカウントに入った。
いわゆる、裏垢というやつだ。
「なにこのトレンド1位」
日本のトレンド1位に『天才高校生プロゲーマー』2位に『Takamoriとリオ』という名前が入っていた。
「そういえば、アイツもゲームオタクなんだっけ」
えまは幼馴染のことを思い出していた。
そして、そのトレンドに入っているものをタップする。
あいつへの当てつけように批判してやるつもりだった。
「ゲームオタクとか、まじで無いよな。そんなのに人生かけてなんになるのかってんだ」
えまは一番上に出てきた、ネットニュースの記事を開いた。
そこで、えまは自分の目を疑うことになる。
「嘘、でしょ……」
写真に映っているのは、美少女と楽しそうにゲームしている幼馴染、高森諒だった。
髪型が変わっているが、間違いない。
毎日、嫌というほどアイツの顔は見てきたのだ。
間違えろという方が無理である。
写真の説明には、【右:世界一のプロゲーマーTakamori氏 左:日本一のプロゲーマー:夏目莉央氏】と書かれていた。
「アイツが、世界一のプロゲーマー!?」
えまは思わず大きな声が出た。
そして、記事を一番上からちゃんと読んでいく。
高森諒、えまの幼馴染はプロホプルというFPSの世界大会で最年少優勝したらしい。
隣にいるのは、日本大会優勝者で美少女プロゲーマーともてはやされているらしい。
「気にくわないわね。でも、世界大会優勝ってことは相当な賞金が入っているってことよね」
えまはそのまま、検索をかける。
プロゲーマーTakamoriの推定年収は5000万と書かれていた。
「5000万!? もし、私がアイツと結婚すればこの資産も私のもの」
えまは金に目が眩んでいた。
「アイツ、私に惚れてたんだもん。きっと付き合ってあげるって言ったら、大喜びするはずよ!」
えまは気づいていなかった。
諒が既にえまなど眼中に無いということを。
【あとがき】
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