繁殖リタイヤ犬サクラの話② はじめての散歩

 トイプードルのサクラ、推定五才、はじめての散歩


 正確には、保健所からレスキューされ、保護団体ボランティアの方がサクラをはじめて散歩したのですが、青木家にやってきて、はじめて散歩をしました。


 ボランティアの方のお住まいは名古屋市なので、ほとんど道路はコンクリート。青木家周辺は田舎。田んぼのあぜ道をはじめて散歩したサクラは、シロツメクサに鼻をくんくんさせ、原っぱに出ると「こんなの初めて」みたいな感じで、目をキラキラさせていた。落ち葉や枯れ枝を踏みつけて、足の感触がイヤだったのか、生き物と思ったのかびっくりして飛びのく。時折、わたしの顔を見る……不安なのかい?


 繁殖業者は繁殖させるとき以外はゲージの中で犬は過ごすって聞いた。そのため、繁殖犬は狭いゲージをグルグル回るので、引き取った里親と暮らし始めてもグルグル癖が治らないそうです。でも、サクラはグルグル回る行為はなかった。


 繁殖犬は表情が乏しいとも言われた。でも、サクラは表情豊かだ。想像だけど、サクラのいた業者はずっとゲージに入れっぱなしではなく、ネットで見るほど、悪い環境下でもないが、繁殖しなくなったので、保健所に持ち込まれたのかも。

 そんなに悪くない業者なら、引き取り先を探しボランティア団体に声をかけるとか、誰かに移譲しようと手は尽くさかったのかしら。保健所に持ち込まれたとき、業者に捨てられ、サクラはどんな気持ちだったの……。


 レスキューしたボランティアの方もサクラが何歳か、どのような環境で育ったのか、分からないみたいだ。だから、いっしょに暮らしながら想像するしかない。


 犬の一日のルーティーンってあっただろうから、百八十度、環境を変えると、新たな生活は落ち着かないだろうし……。

 ボランティアの家でもそうですが、サクラは今もトイレシートでは用を足してくれないのです。あちこちにシートを置いてもしない、失敗ばかり。うーんと考え、散歩させると用を足す。


(え? ひょっとして外でしていた? あるいは業者の庭にトイレがあった?)


 今は一日二回、散歩の時に用を足しています(*^-^*) 

 昔、飼っていた外飼い雑種犬と同じだ。室内犬はトイレシートでしてくれるから、雨の日は散歩しなくていいな~♡ なんて思っていたが、残念。梅雨時でも雪の日でもずぶ濡れになりながら散歩にゆくしかない( ;∀;)うん、慣れてるからいいよ。


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