ふしぎ話② 林間学校とささやく声

 今回はふしぎ話。桃子の小学校時代の話です。 


 東海地方に住む、わたしの地域では、小四か五年生になると、宿泊行事がある。その施設が関ケ〇にある林間学校だ。


 この施設、関ケ〇なので、天下分け目の戦「関ケ〇の戦い」の古戦場だ。この辺の住人はよく落ち武者の霊が視えるらしい。


 さて、そんな古戦場ど真ん中にある林間学校に宿泊することになりました。


 グループで分かれ、山を登ったり、昼は自分たちでカレーを作る。たしか肝試しもやったような気がします……。夕食後、夜はお風呂に入って各部屋で寝る。

 就寝前のちょっとした時間があったので、部屋ではなく廊下でお話している児童が多かった。わたしは風呂から出て、部屋にはまだ誰もいない。

 髪を乾かすように窓を開けた。コの字型の建物(だった気がする)で、中庭には大きな木が植えてありました。三階の窓から一階を見ると、コの字型なので部屋の窓越しに友達同士で楽しそうに話している姿が見えた。


(一階の子はいいな………)



 なんて、思ったのがいけなかったのか、わからないが―。



(……じゃあ、この窓から飛び降りてみようよ……)



( ,,`・ω・´)ンンン?

 わたしの頭の中でささやく声がする。もう一人のわたしの心。妄想好きなわたしは、よくそうして天使と悪魔な会話をするので今回もそれだと思った。



(……大丈夫、中庭には木があるから、落ちてもクッションがわりになって、けがしないって……)



 んーでもなぁ、ここは三階、どう考えても怪我するだろっ

 わたしは頭の中でつっこむ



(大丈夫! みんなを驚かせようよ! 大丈夫だって………)



 そうかな、じゃあ―。

 わたしは窓に手をかけ、身をのりだした。



(ほら、怖くないよ………)



( ,,`・ω・´)ンンン? でもなぁ………



(ほら……)



 もうひとりのわたしの心はけっこう煽る。葛藤しながら、めちゃくちゃ身を乗り出したものの(いや、ふつうにおかしいだろ)と思い直し、結局、飛び降りはしなかった。



 翌朝、幽霊騒ぎになっていた。


「落ち武者をみた」

「寝室の壁の影が手招きした」

 など、その話題でもちきりだった。


 林間学校を出て、あれから二度とあの場所に訪れていない。でも、慎重でビビリのわたしがなぜあの時、窓から飛びおりようとしていたのかさっぱりわからない。

 なにもなかったからよかったけれど、もし飛んで、仮に怪我をしたとして、友達に「桃子ちゃん、あの時なんで飛んだの?」って聞かれたら「うーん、誰かが飛べって言ったから」って答えたかも……と思ったら、怖くなりました。


 ホント、あのささやき声なんだったんだろう? (´゚д゚`)ささやかれていたときは自分の考えていることだと思っていて、ぜんぜん怖くなかったです。だから余計怖いのですが……(;''∀'')汗。


 みなさま、古戦場に気を付けてくださいね。関ケ〇は最近、霊は見かけないらしいです。うわさでは幽霊の寿命は四百年くらいだそうです( *´艸`)ほっ。

 でもこれはネット情報なので、あっているのかわかりません。


 あ、わたしは霊感強くないです(><)霊なんてみたことないです。ただ、あの出来事なんだったんだろう~って話です。いつもぼんやり生きているのに、あのささやき声だけ、今も鮮明に覚えています。ちなみにその施設をしらべたら、老朽化で2006年頃? 閉鎖されてました(*'▽')

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る