大人の階段のぼった先にいるシンデレラ(穴見さん)
そ――そんな馬鹿なッ! ギャルで陽キャで、制服だって男を誘っている(偏見の塊)ような着崩し方をしているのに……しているのにも関わらず――。
しょ――処女だなんてッ⁉
にわかには信じ難い。二の腕の柔らかさがおっぱいの柔らかさと同じって都市伝説並みに信じられない。
……いや待てよ? 信じれる信じられない以前に僕は確かにこの耳で聞いたぞ? あれは確か1ヶ月ほど前だったか……。
『――最近彼ピがさ~、デートの後に必ず求めてくるだけど~、ぶっちゃけちょ~めんどくて~』
『うわ、
『マジ深刻な悩みなんだって~。つーのも今の彼ピ、Hがちょー下手で~、おまけにイクのも速攻なのよ~、マジ気持ちよくないんだよね~』
『なにそれ贅沢な悩みなんだけど。あーしなんかもう1ヶ月はご無沙汰だってのに……あ~マジ彼氏ほしいわ~』
『1ヶ月はヤバすぎ。つか南美は? チョーシどーなん?』
『え――う、ウチッ?』
『他にいないっしょ? 南美の浮いた話あんま聞かないからどうなのかな~って。彼ピできたん?』
『あ、えっと、ウチも今はいなくてさッ! え、エッチもその、かなりご無沙汰で! アハ、アハハハハ……』
穴見さんがギャル友と話していた内容……あの時、彼女は確かにご無沙汰と口にしていた。
ご無沙汰という事はこの場合、しばらくHをしていなかったという意味であり、Hの経験がないってのは噓になる……嘘になるが。
「きゅ、急に黙るなし……」
上目遣いで咎めるような視線を投げてくる穴見さん。しかしながらその頬はほんのり赤くなっていて、不覚にも僕はドキッとしてしまう。
ま、まさか、穴見さんは――――ギャル友達に舐められないよう見栄を張ったというのかあああああああああああああああああああああああッ⁉
俺の中で潜在的に存在していたギャルのイメージが音を立てて崩れていく。
な、なんだその可愛い嘘はあああああああああああああああああああああああああッ!
『私、全然経験ないんだよね♡』というヤリ〇ンの噓はまるで可愛くないのに、逆になるだけでこれだけの破壊力を生み出すというのかッ⁉
とてつもない衝撃だ、深く濃すぎる衝撃だ――ディープなインパクトだッ! 僕の【マイネームイズ雲晴Jr.】が今、翼を広げようとしているッ! 幾ばくもしない内に間違いなく飛びそうだッ!
……だけど、やっぱり解けない疑問がある。
処女を授ける相手だ。
可愛くてノリの良い穴見さんなら、他にもっと良い男を選べるはずだ。なのに何故僕を選んだのか、それがわからない。
わからないから、僕は彼女に訊く事にした。
「あの、穴見さん……一つ、訊いてもいかな?」
「……なに?」
「穴見さんが未経験なのはわかったよ。疑ってごめん……でも、ならなんで相手に僕を選んだの? 初めてって、女の子からしたら特別なものでしょ? なのにどうして」
「そりゃ、初めては好きな人とって子もいるけど、女子全員が必ずそう思ってるわけじゃないし……この歳でまだシてないのを恥ずかしく思う女子もいるわけっすよ。ウチはそれ」
「そ、そっか。けど、経験しておきたいだけなら尚更、僕じゃなくてもいいんじゃ……」
そう僕が言うと、穴見さんはしゅんと縮こまり口元を尖らせた。
「だ、だって、経験済みの男の人とヤルのって、なんかちょっと怖いじゃん? 色々な事されそうで……その点、相手も初めてならこう、無茶な要求してこなそうだし? お互い初めてだから安心感があるっていうか……」
穴見さんの言葉にはまだ続きがあるようで、僕の方をチラチラと遠慮気味に窺がってくる。
「それに……足立のアレ、すっごく大きいんしょ? ……大きいと、気持ち良いんしょ? どうせヤルなら……気持ち良い方がいいし」
穴見さんに僕が選ばれた理由が判明した。まず一つは童貞である事。そしてもう一つは――。
今日まで両親に感謝する場面は多々あった。けれど、今日ほど両親に感謝した事はない。
お母さん……お父さん……僕を産んでくれてありがとう。僕をここまで育ててくれてありがとう。
僕に――立派なモノを授けてくれて、ありがとう。
今日、僕は大人の階段をのぼります。
両親への感謝、大人への成長……ここで退くは男の恥。
「――きゃッ」
その意気込みのままに僕は穴見さんをベッドに押し倒した。
――――――――――――。
どうも、ギャンブル全然できなくて精神崩壊まったなしの深谷花びら大回転です。
最近、🚥待ちのさい……『あれ? 6-5-3の三連単?』なんて考えるようになってしまって本格的にまずいです。
馬がやりたいです。チャリンコがやりたいです。バイクがやりたいです。
銀玉は……まあそうでもないかな。スロット、テメーはダメだ。全然そそられねー。
彼女と同棲を始めた事で自分がどれだけギャン中だったか、身に染みてわかる今日この頃です。本当に辛いです。
でも、これで良いのかもしれませんね……ギャンブルなんかしない方が絶対良いに決まってるんですから。
すいません、長々と語ってしまって。
どうか読者の皆様、こんなクズですが慰めの★をそっと添えてくださいな。モチベにも繋がりますんで。
それと……宝塚記念は間違いなくタイトルホルダーだから。よろしくううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます