第17話 アリアの修行
「1人は寂しいけど、強くなるために我慢しないとね」
アリアは、高度はあまりないが、傾斜がものすごくきつい山を登っている。
この山を選んだ理由としては、アリアの身体能力を伸ばす為に必要なものが全て揃っているからである。
「身体のバランスが崩れたら、すぐに落ちちゃいそうだね」
そう、今のアリアに必要なものは、体幹である。
既に人並み以上ではあるが、無駄な動きを減らして、攻撃力を最大まで上げる為にはもっと必要なのだ。
「よし、ここら辺でいいかなー。よいしょっと!」
ドガァン!!!
「これで拠点ができたねー」
アリアは、寝床として山の中間部の一部を壊して、簡単な穴を作った。
ここを拠点として、これから修行を始める。
「まずは、ウォーミングアップから。軽くこの山を10往復くらいでいいかな」
そうしてアリアは、普通の人なら到底登ることのできない山を30分程度で10往復もした。
もちろん、汗は1滴も出ていない。
「この山はいいねー。身体をよく使えるよー。それじゃあ、始めますか!」
そう言って、アリアは山頂へと走っていく。
この山の山頂は尖っていて、足全体を支える面積もない。
その為、体幹を鍛えるのにはぴったり場所なのである。
「心を落ち着かせて、身体の隅々まで意識してっと。おお、行けた行けたー」
ビュゥン!
「わお、危ないなー。一瞬も気が抜けないよ」
アリアは、簡単に乗ることはできたのだが、山頂なので周りには景色を邪魔するものが少ない為、強風が度々やってくる。
その為、アリアであっても立っておくことは集中していないと難しいのである。
この修行が、体幹、集中力、身体の使い方を大幅に強化してくれることは、言わずともわかるだろう。
「よし、そろそろ終わろうかな。お腹が空いたし、狩りに行こう!」
「
ビュン!
3時間ほど修行をしたアリアは、食料到達の為に動物のいる森へと瞬間移動した。
『
「おお! いけたよ! でも、まだ負担が大きいかも。全盛期には程遠いなー」
この魔法は、勇者アリアしか使用できない技であるが、アリアは元勇者なので、この魔法を使うことができる。
もちろん、オズにはこの魔法の事は言っていない。
勇者時代は、いつでも何回でも使えた。
しかし、この魔法は身体への負担が大きい為、今のアリアだと間隔をあけて4発が限界だ。
「まあ、修行は2つしかないし、頑張ろう!」
アリアの修行内容は2つのみだ。
1つ目が、山頂でのトレーニング。2つ目が、この
アリアの剣術は、勇者そのものなので特にすることはない。
その為、今のアリアに足りていない『体幹』と『
ガサガサ
「あ、クマさん見つけた! 結構たくさん食べられそうだよ」
「グワーッ!」
「クマ助よりかは小さいね。まあいいや、辛くないようにするからね」
シャキン!
ドスッ
「美味しくいただくからね」
一瞬にしてクマは倒された。
そうして、クマを捕まえたアリアは再び
「それじゃあ、あれを試してみようかな」
修行内容は2つと言ったが、アリアには1つ試してみたいことがあった。
それは、アリアが最近取得した『未来視』である。
実はアリアは、未来視を自由に使うことができないのである。
花が落ちるのが分かったのは、たまたまアリアが知っている花で、落ちることが分かっていたのである。
しかし、この力を使いこなすことができれば、アリアは必ず勇者を超える存在になる。
「んんぅぅ!」
ゴニョゴニョ
「ほとんど真っ暗だったよー。でも、なんか見えそうだった感じがする! この力、絶対に手に入れるぞ!」
その後アリアは、何度か未来視に挑戦して、再び体幹トレーニングをしてから眠りについた。
果たして、アリアは時間までに
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