第16話 オズの修行
次の日から、オズとアリアはそれぞれで修行を始めた。
「それじゃあ、僕はあの森に行くよ」
「うん、私は山の方に行くね」
「次に会うのは5か月後だな」
「5か月も会えないなんて寂しいねー」
「村の為だ。我慢しよう」
「仕方ないか。じゃあ、ばいばーい」
「じゃあな」
そう言って2人は、それぞれの目的地へと向かっていった。
2人は、それぞれが魔法と剣術を極めるため、別々で修業をすることになっている。
なぜ再開するのが、封印が解放される半年後ではないかと言うと、残りの1ヶ月は、お互いの連携や、必要な剣術や魔法を教え合う為である。
親には、半年間のお手伝い会があると言って、無理やり納得させた。
◆
「ここら辺でいいだろ」
「
ゴゴゴゴゴゴ
「これくらい広ければ、大丈夫だろう」
森の中央辺りに到着したオズは、修行の空間を作るために、魔法で半径100メートルを削り取った。
オズくらいの力になると、これくらい広くないと、力の5割も出すことができないのだ。
「まずは、瞑想から始めるか」
『瞑想』とは、一般的には、体内に流れる魔力を感じたり、集中力を高める為にするものである。
しかし、上級者になると、魔力の伸縮まで意識して行っている。
魔力の伸縮を行うことによって、威力は弱くなるが、広範囲に攻撃したり、一点に強力な攻撃したりなどと変化を加えることができるのである。
「スゥーハァー。スゥーハァー」
ガサッ
「
ビュゥン!
フゴッ!
「なんだ、イノシシだったか。まあ、昼飯ゲットだな」
200メートル程離れた草むらで音がしたのが聞こえたオズは、一瞬で魔法を使って物音を起こした生き物を倒した。
鳴き声からして、イノシシだと分かったオズは、昼飯にする為に死体を獲りに行った。
「よし、次は光属性魔法の修行だな。その前に標的を作らないとな」
「
バハムートと戦うなら、弱点である光と無属性を修行する必要があるのだ。
オズは、1000体ほどの標的を出した。
戦闘の時であれば、戦う意志のみを持たすのだが、今回は何もせずにただ立ち尽くすようにしてある。
それだけではなく、光属性魔法の
この修行では、1000体の
こんなことをする理由は、これができた時にようやく光属性最強魔法が使うことができるからである。
「1発目。
ドガァン!!!
オズが魔法を唱えると、空から大きな槍が素早く降りてきた。
「100体位しか倒せないか。まだ威力が分散しているな。もう1回だ。
オズは、それから100発撃ったが全滅はできなかった。
「はぁ、はぁ、流石に今日は無理だったか。まあいい、昼飯にしようか」
そうしてオズは、捕まえたイノシシでお腹を満たした。
「美味かったー! よし、それじゃあ午後も頑張るか」
午後からは、無属性の魔法の修行を始めた。
無属性魔法の修行方法は、身体を鍛えるところから始まる。
無属性魔法は重力や空間を操る為、魔力の消費は少ないが、身体への負担がとてつもなく大きい。
その為、身体を鍛えることが最も良い方法なのである。
「まあ、初めは下半身中心で鍛えていくか」
そうしてオズは、ひたすら日が暮れるまで森を走り回ったり、木から木へと飛び移ったりなど、自然を最大限に使った修行をした。
修業中に木の実や動物などを見つけて獲り、食料調達に加えて重りとして使っていた。
「ふぅ、1日頑張ったな。明日も頑張るか」
オズは、こんな生活を毎日送っていった。
アリアの方は、どのような生活を送っているのだろうか。
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