企画参加、ありがとうございます。
宇宙論と音楽、面白い試みで、興味深く拝読しました。バッハの音楽を聴いていると、そこに宇宙の真理が込められているかのような感覚に陥る時がありますが、その感覚を思い出させるような雰囲気の、音楽の底知れなさの一端に触れたような、不思議な作品でした。
作者からの返信
コメント、また自主企画の場を設けていただきありがとうございます。
私の守備範囲は後期ロマン派と新古典主義あたりなんですがシャコンヌはよく聴きます(ブゾーニ版ですが)。
音楽の感動は一生物種の人間にしか響きませんが、人間の心は宇宙を充足したいという欲望を持っているもので、人間原理というキーワードでそれを無理やりくっつけたのが本作です。
バッハの神秘性がそのあたりの継ぎはぎ感を覆い隠して、作品としてお楽しみいただけたなら嬉しいです。
短編ながら、バリバリのハードSFという印象を受けました。
グレッグ・イーガンがクラシックのお題で書いてみた、と聞いても真に受けてしまいそうな。
過去の映像等をテンポよく挿入して、来たるべき一点に向けて一気に語り継いでいく、その構成もなかなかのものです。
何よりも、読み応えのあるハードSFでありながら、ロマンティックな音楽小説でもあることがすごいです。普通はどちらかがほどほどのレベルで頭打ちになってしまうもんですが。
この宇宙で"その時"が来るとしたら、やはりその音楽はバッハでなければならない、とは私も思います(クラシックネタである限りは)。
ただ、個人的にはその曲が「シャコンヌ」というのは……どうなんでしょうね。この辺、マニア同士で論を戦わせたら、百人百論となることは間違いないでしょうけれど……せめて「音楽の捧げもの」とか……「フーガの技法」とか……でもピアノじゃ難しいですよね。うーん。
作者からの返信
コメントいただいてありがとうございます。
今回、趣味の音楽ネタと宇宙論をなんとかくっつけることができたかなと考えております。
選曲については、作品からお分かりかもしれませんが普段はバリバリ後期ロマン派ばかり聴いている主情主義です。
しかしラフマニノフやリヒャルト・シュトラウスで宇宙を壊すわけにもいかんなと思って、比較的よく聴く「シャコンヌ」が選ばれた次第です。
主知主義的に捉えるなら「平均律クラヴィーア」などがいいのかもしれませんね。
小此木センウさま。ブゾーニの名前が出て来たのでBWV.1004だろうと目星を付けました。このお話、ヴァイオリン・ソロでかの曲を聴くのと同じくらい精神集中を要求されて疲れます!(笑)
ついでに「音楽の感動は一生物種の人間にしか響」かないというのは絶対違うと思います。小鳥とか、野菜とか …
作者からの返信
コメントありがとうございます。
音楽を描くと何故かわがままな話になります。お付き合いいただき感謝です(笑)
音楽の感動のくだりですが、このお話での設定と思ってお納めください。人間と他の生物はシームレスなので、感情や認識も同じく連続的なんでしょうね。ただそのあり方は生物としてどの機能を特化したかに関わるので、蝶が見る花と人の見る花の色のようなギャップがあるのだとは思います。