夢を見て空を見る少女4

私が初めて目にしたのは緑、一面に広がった緑の草が生い茂った森の中だった、草や森の自身の鼻に刺す地面の匂いもする、周りを見渡しても森だ、青い、真っ青な青い空など見ることができないほど木々が生い茂っている


「あぁー青い空を見たかったなぁ」


自身の口元に手を当てる、自分は何を言っているのだろうか?


記憶はないが、私の中にある感情が言葉を紡いだようだった



何もわからない状況、記憶を参照して分かるのは自分の名前だけだ


忘れてしまうかもしれない、自身の名前だけでも声に出しておこう


「私の名前はルディア、ルディア・・・」


初めて出した単語ではなく、声に出して唱えた名前は口に馴染んでいた、違和感なんてものも感じられなかった、正しい記憶なのだろう


ここはどこだろう?私、今まで何をしていたのだろう?


悩んでも仕方ないと思いルディアは森の中を歩きだす


歩いても歩いても、森の中から抜け出すことはできない、ただ鼻につく土のにおい、木々がこすれ気持ちがいい音が聞こえ、木々の隙間から少しだけ暖かい風が流れ込んでくる、目には小さな小動物がチロチロと映る


「かわいいですね」


ルディアの顔から自然と笑みがこぼれる


可愛いものを見ると笑みはこぼれてしまいますね


少し大型な草食動物たちがのんきに草をもさもさ食べている姿も目に入る


記憶がないからか、目に映るものすべてが素晴らしくワクワクする、この森の先にはどんなものがあるのだろうか?どんな生き物がいるのだろうか?


これから何が起きて、私はどんな感じに生きていくのだろうか?


私はワクワクしながら森の中を散策を続けた




そして初めて会うのに嫌悪感、怒り、様々な悪感情が湧き出るような黒いどす黒い生物と対峙した


明らかにこの森において異物の存在であり、本能においても逃げろと発するぐらいには自身に敵意を向けているのを感じ取れた


膝が恐怖で笑って逃げられずに腹を豪快に裂かれ、空を舞った


「もっと楽しみたかったなぁ」


この世界を見ていたい、もっといろんな人と会って楽しんでいた、そう感じたためでたためにでた本心からの一言だった







ルディアはぼぉーと目の前の光景、黒い粒が空を舞い、光の粒が空を舞う一種の幻想的な世界を目の当たりにして、呆けている


「ぁ・・・」


ルディアは一言言葉を絞り出す、脳が、本能が言葉を出せないほど痺れている気がする、アルが残した魔術の残りに触れたくゆっくりと手を伸ばし、光の粒に触れてみる


質量や温度、形なども全く分からなかったが懐かしさがある、それは暖かった、いつの間のか、怖かった気持ちが薄れ、同時に気持ちが安らぐ・・・・・・・・・・・




呆けていた、その直後に脳が激しく痛みを訴えてきた


「ぁぁ・・・・・」


いたい、いたい、いたい、いたい


頭が直接、直に釘で刺されたような痛みが継続的に断続的に頭に痛みが発生していた


痛さのあまりにルディアは頭を抱えその場にぺたりとしゃがみ込む、アルはルディアの異変に気付きすぐさま瞬間に移動してきた


頭の痛みが自身の限界を突破し、意識を手放した




ぱちぱちと火がはじける音が聞こえる、こんがりと木が燃えるにおいがする、懐かしいにおいだなとルディアは感じる


私には記憶なんてものはないのに懐かしいなんて・・・・


頭の痛みがなくなり、目の前の仄かにゆらゆらと揺れている明りに目を開けてみる


赤いレンガで囲われたなかに炎が揺れている、要するに目の前に暖炉があるらしい


「起きたか?あったかいミルクでも飲むか?」


声のする方向を見る、そこには私よりも幾分か大きいお兄さんが立っていた


がっちりとした体格、だが決して勇ましいわけではない


ルディアの口から自身の意思ではなく意思とは関係なくお兄さんの声に反応するようにするりと声が出る


「オーローンさん、おはようございます、ミルク、お願いします」


「じゃあ少しだけ待っててな」


オーローンは椅子から立ち上がりミルクを温めに台所までしっかりした足取りで向かっていった


私はオーローンの背中を眺めながら考える


これは夢ですね・・・夢・・・居心地がいい夢・・夢ではあるのは分かりますが、私が考えた妄想上の夢とかではなく、思い出、私に存在しなかった記憶の断片を追体験しているのでしょうか?


オーローンは暖かいミルクをマグカップに入れ持ってきてくれた


「ありがとうございます・・あちち」


「熱いから・・ってもう遅いか・・まぁ火傷しない程度に飲みな」


「はーい」


私は無邪気に返事をする、今気づいたが目線がアルさんといるときよりもほんの少しだけ少しだけ低い気がする


「ねぇオーローンさん、お母さんやお父さんはどうしたら帰ってくるんでしょうね・・・」


ほんの少しだけ渋い顔をした後にすぐに笑顔に変わり私に不安を与えないように頭をゆっくりと撫でながら優しい声で話してくれる


「大丈夫、いつかどうにかなるよ・・・・それとも俺とシャルルだけじゃ寂しいか・・」


オーローンは少し困りながら苦笑いを浮かべた


「いえ、そんなつもりで言ったわけではないのですが・・・・」


頭の中にまた鋭い電流が流れる、そしてまた唐突に別の顔を思い出す


ここにはいない、シャルルさん、吸血鬼のシャルルさん、大事な大事な私のお姉さん・・なんで忘れてしまっていたのだろう・・・・


「なるほど、流石に三人だけでは寂しいか・・では俺が増えようじゃないか」


ぱちんと指を鳴らし、足元に緑色の魔法陣を展開した後、オーローンさんが物理的に増える、一人だった存在が指がなった後にはいつの間にか二人になっていた、そしてもう一度パチンと指を鳴らした後、倍々に増える、要するに4人分のオーローンだ


「「「「よし、これで寂しくないな」」」」」


「阿保なんですか?オーローンさんが増えたってちょっと臭いだけですよ?」


「「「「えぇ!いやこれで寂しさとか吹き飛ぶかな・・っと!」」」」


オーローン四人分の決め顔が決まる


「元から寂しさなんてありませんよ、ただ生みの親にもたまには会いたいってものですよ、というか少し臭いですよ、いつからお風呂入ってないんですか」


「最近少しばかり忙しかったからなぁ・・・てか俺ってそんな臭いかな?」


「嘘ですよ、真に受けないでください」


「そうか、そうか、そらりゃあ良かった、それよりも能力はどうだ?」


そういわれた後にルディアはパッと手から鉄でできた鎖を止めどなく延々と延々と出し続ける


うぇ?私ってそんなこと出来るの?


「いつまで出すん・・・・・・ちょ・・・・・・・・ちょっと待て待て待て、家壊れちゃうから」


「あぁそうですね、えぇっとまだ出ますがこんなものです」


鉄の鎖はそのまま大きなとぐろを巻き地面に転がっている、


「そうか、そうか、まぁ使えてそうで何より」


「あぁ後こんなこともできるようになりましたよ」


ルディアは手をオーローンに向け、手から鉄でできた鎖、楔を射出する、楔は意思を持ったようにオーローンに向かって跳び、器用に亀甲縛りをして見せた後にぐるぐると何重にも巻き付いた


「やっぱり、俺に恨みでも持ってるの?」


「そんなことないですって、まぁこんな感じに拘束に特化した能力らしいです」


「そうか、自身の能力を詳しく知ることは大事なことだな、できること、できないこと、やれること、やれないこと、自身の能力を知ることで世界は広がるからなぁ」


「えぇと・・何おじさん臭いこと言ってんですか・・」


「えぇそんなおじさん臭い?やだなぁ・・・・それよりもこの拘束どうにかならない?」


オーローンは目線で鉄の鎖を解くように訴えるがルディアは少し申し訳なさそうに


「あー解除の仕方は今のところ分からないです・・・・絶対的に拘束する的な」


「分からないで俺に使ったの!?やっぱり何か俺に何かしら持っているよね!?・・・・・まぁ自身で解けばいいか」


オーローンは足元に幾何学的な円形の魔法陣を展開する、その魔法陣は灰色に光だす


「腐食の魔術」


オーローンは一言は放つと魔法陣は煌びやかに輝きだし魔術が機能する、オーローンに巻き付いていた鉄の鎖は瞬く間に腐敗していく、ぱらぱらと鉄が地面に家の床へと落ちていく


「相変わらず綺麗な魔法陣ですね」


「だろう?まぁ・・片付けが面倒くさそうだな」


「それは・・・・ご、ごめんなさい」


「なーに、俺が言った事だよ、ルディアが気に病む必要なんて一切ねぇんだよ」


「あ、そうですか、オーローンさんお腹がすきました!」


「んー自由だなぁ、全く・・・・さて・・と、どうしようかな」


オーローンは家の未だに残っている、とぐろを巻いている鉄の鎖を眺める


「溶かして、鉄の延べ棒にして売ったらどうですか?」


「このなんでも叶ってしまう時代に鉄の延べ棒なんて売れるかなぁ」


「どーでしょうね・・・」


そこでいきなり、次の声が聞こえてこなくなった、いまだに過去の私とオーローンは喋っているのにも関わらず声がこちらに届かない、ぐっと意識が重くなる、もうこの世界にはいられないらしい、どんどんとブラックアウトしていく、目の前が真っ暗になっていく


真っ暗になりつつある目の前の暖かな光景から目を離し、ゆっくりと瞼を閉じる


あぁ私にもこんなにも素敵な家族がいたんですね…


ルディアはそこまでの思い出を見て、思考が真っ暗になっていく、目の前も真っ暗になっていく、現実に意識が戻る感じが体を駆け巡る


オーローンさん、ここにはいないシャルルさん、私には大事な大事な家族がいた


私には大事な大事な仲間が居たんだ…

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