第15話 分析

一番効率が良い攻撃は、相手の弱点属性をスキルに付与しながら弓矢で『精密射撃』行うというものだ。これだと、40階層のモンスターを一発で倒すことができる。


あのケロベロスでさえも倒せる強力なスキルだ。

雑魚に効かないわけがない。沸いた時は魔導士のスキルで範囲攻撃ができるがこれは一回でmpが尽きてしまう。


やはり、近くに仲間がいないと使いづらい。

模倣士は状況によって戦い方を使いわける必要があるな。

戦い方は大きく分けて3つ。


①魔導士のようなmpの高い職業を『模倣』してスキルを

駆使する。


②剣豪や格闘家のような前衛職を模倣して前に出る。


③軍師やプリーストのような後衛で前衛をサポートする。

器用貧乏だが、パーティーの弱点をなくす役割がある。


更に、一撃必殺がある。これが大きいかもしれないな。

弱点はmp消費だけで、チートな職業かもな。

戦い方に慣れるまで時間がかかりそうなので、それはみんなと合流して慣れていくしかない。


仲間のレベルアップで更にスキルが増えるので更に強くなりそうだな。

ステータスはやはり弱いが『模倣ストック』と『部分模倣』で補うことはできる。

ステータス半分で、部分的な体の一部が攻撃力と防御力が上がる。

全て併用する為mp消費が激しくなる。

使っている間mpが減っていくタイプのスキルなのが辛いところだな。


しばらく、休憩して俺は41階のモンスター狩りを行うことにした。流石にレベルは上がりにくいが数をこなして35レベルになった。


覚えたスキルに『模倣分身』というのがあった。

模倣ストックにある職業を分身として出せるという

スキルで、分身の強さは本物の半分で専用スキル以外は使えるというものだ。


しかし! 問題はmp消費が二倍になり、分身がスキルを使えば当然mpも減る。


まてまて、3分しか戦えないのが1分半になるという事じゃないか、、

追い込まれた時の最終手段だな。

どうも模倣士の覚えるスキルは短距離型スキルばかりだな。

レベル上げする時は長距離タイプの方が効率がいいのだが、、

せめてステータスが良ければ救いようもあるが、、


ないものを嘆いていても仕方ない。

今ある力でなんとかする。それが人間ってもんだ。

と自分にいい解釈をして『模倣分身』の

使い方を考えることにした。


分身にmpを吸わせて、自分は戦うというのはどうだろう。分身の数は一人だけのようだから、吸う役と攻撃に分けて戦闘を行えば長い事戦えるのではないか?


『戦闘補佐』で質問するとこのエリアで戦闘を行った場合の戦闘継続時間、ダメージ、被ダメージ、経験値効率、死亡確率などを表示してくれた。

なかなか優れものだ。シミュレーション結果が即座に出るので試す必要もない。

結果として、3分30秒戦える事がわかった。


このエリアのモンスターはmpが多い方ではないようなので、mpが多いモンスターがいる階層ではより長い事戦えそうだな。


あとは分身はどこまで動かすことができるのか。

地面に線を歩幅分の間隔で何本か引いて

分身が消える距離を測定してみた。

20歩くらいの距離になると分身は消えてしまうらしい。

大体10m程度みたいだ。

距離が長ければ偵察に使おうかと思ったが無理そうだな。

偵察は『幽体離脱』が一番いい。

だけど体が抜け殻になるので、安全な位置を確保しないと使えないのが欠点だな。


さて分身で実際戦ってみるか。

41Fでいつもお世話になっている蟻さんで試すことにした。

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