第14話 天に還る

美香達の階層に辿り着くまでにmpがほとんどなくなった。


やれやれ。


美香達は30階で休息をしていた。

美香、阿部、浩介の筋肉トリオは余裕そうだが、

寺田、優奈の貧弱ペアには辛かったようだ。

あの三人転生前も筋肉トリオだったからなあ、、

俺もあいつらの体力には付いていけないからな。

HPとかMPは職業によって変化するようだが

スタミナのような疲れやすさなんかは

元いた世界と変わらないようで

体力バカの方がスタミナが高いようだった。


寺田、優奈のように文化系のやつだと

スタミナが低くくて当然。

二人が少々不憫に思えてきた。

美香が寺田を見て話していた。

「寺田あんな無効にする魔法あるなら最初になんで使わなかったのよ!」

寺田はなんのことかさっぱりわからずに答えた。

「? 俺にあんな反射スキルを無効にするスキルなんてないよ? あるのは攻撃魔法だけだよ。」

「じゃあ、なんで使えたのよ?」

「さあね。」

寺田じゃなくて俺がやったんだから、そうなるよな。

俺の言葉が届けばいいが、この『幽体離脱』は魂状態のため言葉が届かないんだよな。

優奈はなぜか俺の存在を気づいている感じがある。

霊感があるんだろうな。試しにそばで話してみるか。

話しかけると優奈はあたりを見渡した。

言葉はわからないみたいだが感じるようだ。

優奈は浩介に話しかけた。

「浩介くん、なんか周りにいるような気がするんだけど感じない?」

「いや、俺には何も感じないぜ。ここは安全エリアだし気のせいだろう。」

「なんだか気持ち悪いわ。幽霊か何かな。確か『浄化』ってスキルがあったわね。幽霊に効くのかしら。」

やばい、やばいぞ。

優奈は天に杖をかざして

スキルを唱えようとしていた。

待て待て、

このままでは、天に還ってしまう。

俺は急いで『幽体離脱』を解除した。


「あぶねーやつだなあ。解除が少しでも遅れていたら俺は天に召されていたな。仲間に倒されるとか洒落にならんわ。」


仕方ないアイツらが来るまで待つことにするか。

色々スキルも試したいし、ここら辺のモンスターで試すか。

俺はマントで隠れ『戦闘補佐』のアドバイスを使いながら色々試してみた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る