○9
【ついには戦争開始、ですか】
【ふむ。我が思うに、君は狙いすぎなのではないかな?】
【なによ今さら。それに、あんたの提案でしょ、ジュ=ヤミにシャ=イサのニムさせるの】
【こうも綺麗に決まるとは思っていなかったのだよ】
【それも十分に気持ち悪いですが。女が襲われているのを見てニヤニヤしているなど】
【あれは仕方ないだろう。片方の視点と、もう片方の視点とでは、共有している出来事を全く違う捉え方をしているのだから】
【えー? 妾としてはぁ、男は襲ってくるぐらい鮮度が高いのがいいなー。個人的には、ジュ=ヤミは襲われるのを期待してた面もあったからバツ。もっとこう、意思の強い女が絆されるぐらいのが見てて面白いし】
【……そんな思考で、私を配下にしたのですか】
【そうよー。ニムナをからかうのは、妾の人生で一番の娯楽】
【そして我は、そんな君たちを見守るのが最大の娯楽だ】
【貴方達は……】
【まあまあ。有難いことに、シャ・イサが予測通りに動いてくれたおかげで、もっと行動しやすくなったわねー】
【話を逸らさないでください】
【逸らしてなんかないわよ。むしろ本筋に戻してあげたんじゃない】
【私が参戦できない闘争など興味ありません。殺せないのなら、どれだけ大きな規模だろうが、私の知ったことではありません】
【怖い怖い。君に負けてから千年近くも経つというのに、まだ諦めていなかったのかね】
【諦められるわけがありません。トイチには分からないでしょうが、敗北の悔しさというものは、一生を掛けてでも呪い返したくなるのです】
【んー、みなやわかんにゃい】
【殺しますよ】
【やれるもんならやってみんさい! 返り討ちにしてあげるわ!】
【してもいいが、ここではするな。いくら君たちでも、そればっかりは許せないな。我の唯一の生活居住空間なのだ。荒らされては、もとに戻すまで時間がかかる】
【あんたの力を使えばいいじゃない】
【使えたのなら、我がこんなふうに出刃亀をする意味がなくなってしまうだろう】
【三神の一人ともあろうものが難儀ねえ。ま、それはニムナも同じか】
【一緒にしないでください。反吐が出る。どこが同じなのだか】
【我らは実のところ、本質的に似ているのだよ】
似ないと思うは君一人なり、勝手に思うが我らなり
・・・
・・
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