○8
【これでまた、人間模様が変わるわけだ】
【どうしてミナヤもトイチも、物事を面白おかしく掻きまわそうとするのです。たまには静観するという選択肢を入れてほしい】
【いいのではないか? どうせ貴殿だって暇なのだろう?】
【暇ですが、ミナヤのように厄介事を引き受けるような被虐趣味ではありません】
【ニムナはほーんと、サドよねー。こーんな可憐な乙女の姿をしてるくせに】
【容姿と性格は関係ありません。それを言ったら、ミナヤなんかはもっと清純な性格をしていなければならないことになります】
【清純な君……ふむ、これはこれでいいものだと思うが】
【それを人は、クロック教の神、ミナヤ・クロックと呼ぶわ】
【はっは。そうだったな。やはり、理不尽でこそ君だ】
【はあ……戦の下準備をした直後だというのに、呑気なものですね、ミナヤは】
【まにー。ちょっとセゴナも弛んでるからさー。ここは一発、最悪な災厄を生まないとにー。平和を維持できなくなっちゃうのん】
【平和を望むのに戦をするというのも、矛盾した話ではあるな】
【しょうがなーいしー。それに、ここでちゃんと種から刈り取っておかないと。トイチだって困ったことになるでしょ?】
【そうだな。面白くはなくなってしまう】
【面白いとかそういう話ではありません】
【いやいや、我にとって、面白いかどうかはとても重要なのだ。なにせ、我はここから動くことができない。渡時月下をして、他人のメロドラマを見るぐらいしか暇をつぶせないのだ。貴殿もこの生活を送ってみるか?】
【いいえ、やめておきます。トイチは聖典とやらを書いてニヤニヤしていればいい】
【なんにしろ、あとはジュ=ヤミがどう動くかだけ。シャ=イサは単純なやつだし、きっと想像通りに動いてくれんでしょ】
【ああその話だが、次からいらない部分に介入しないでくれよ君。我はジュ・ヤミという少女がシャ・イサという少年と結ばれる過程にしか興味はないのだから。一人の男が一人の強敵に立ち向かう下剋上の物語など、我にはどうでもよいことだ】
成長するは乙女が女、熟れぬ果実も価値はあり
・・・
・・
・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます