第12話 誤魔化せた?
自分の紫銀の髪をみて、そう言えば街を出たあとカラーコンタクト魔法と着色魔法を解いていたことを思い出した。バレてしまった、こんなに早く。
がくりと肩を落としかけたが、まだ諦めるのは早い!そうだ魔法で・・・ああ、手加減した状態でも一撃必殺魔法しかないことに気がついてしまった。
と言うか結界はどうしたのか・・・って、悪意がないのね!納得だわ!
側から見るとテンパっている様にしか見えないが、クルクルと表情を変えるミナの様子をみて、アランおじさんと騎士さんは目を見合わせた。
「事情を話しましょう」
アランおじさんはそう切り出すと、具体的能力を除いた差し障りのない範囲で子爵に会いにいく事情を話した。随分とスムーズな説明だったが、以前からこのような状況を想定していたのかもしれない。誤魔化せた?
「そうか。道中の護衛は必要か?」
ちょっと気を取り直した私をチラッとみたアランおじさんは力無く首を振ると、
「この子が本気を出したら・・・既にお分かりでしょう?」
なんだか誤魔化せてなさそうだ。
「む、そうだろうな」
私を見ながら顎に手をかけてしばらく考える様子を見せると、親書を運ぶ途中であることを話し、お茶の礼をしながら去っていった。
◇
「ちょっと失敗しちゃいましたね」
気まずい雰囲気を打ち消すように努めて明るく振る舞うと、アランおじさんは少し考える素振りをしてから、遅かれ早かれ知らせることだったのだから問題ない断言した。
「ただ・・・」
「ただ?」
小首を傾げて問うと、至極真面目な表情でこう言った。
「折り返し軍隊の迎えが来るかもしれない」
ミナは騎士がかけていった方向を見ると、あはは、そんなことあるわけないじゃないと、乾いた笑いをするのであった。
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