第17話 洗脳と壊滅と保護

それから数日経った時だった。


定期の連絡のため、指定の場所に行って、いつも通り紙を持って帰って読む。


するとその内容には救世院の処遇が書かれていた。


ケイからの手紙

「フェイ何とかやっているか?


以前からの報告を受けた事と、こちらの調べから分かった事がある。


救世院で犠牲になっている人数は少なくとも20人は超えていると見られる。


事態の規模と深刻さ、被害人数と危険度を鑑みて、公安部は事態を重く受け止めた。


危険思想を持つ宗教組織による洗脳と大量殺人が行われているとし、機動隊が救世院の壊滅と施設内の人間の保護に乗り出す事となった。


明日の正午に機動隊がそちらに向かう。


フェイ、お前は巻き込まれないようその前にこのやり取りをしている指定の場所に行って、機動隊と合流してくれ。


無事を祈る。」



機動隊が壊滅に乗り出したっ!?


明日突入!?


このまま放っておけば殺人が起こる、しかし止めればマザー達は…。


ああ!


もう遅い!


明日には機動隊がやってくる!


大量殺人によって機動隊が壊滅に乗り出した!


マザー達が危ない!


クソっ!


俺はどうしたらいいんだ!


マザー達を逃がすか?しかしどこにこの人数を逃がすって言うんだ。


分からない、どうしたらいいんだ!


フェイは急な事態にパニックになりながら夜が明けて行った。


そして朝が来た。


コンコン


フェイの部屋を叩く音がした。


宮仕「フェイさん、もうすぐ朝礼のお時間です。


準備が出来たら食堂までお越しください。」


宮仕はそう言うと部屋を回って行った。


朝礼の時間になったが、そこにフェイの姿はなかった。


宮仕「マザー、今日はフェイさんの姿が見えませんが。」


イドニス「…。」


イドニスは前を見つめると深刻そうな面持ちで沈黙した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る