第14話 2人目の失踪

ある日の夜、フェイは寝たきりの女性の部屋を確かめた。


すると女性の姿がなくなっている。


あの女性がいない!


女性がいなくなっている事に危機を覚えたフェイは救世院を歩いて回った。


救世院の倉庫を確かめていると、声がしてくる事に気づいた。


棚の後ろから声が漏れてくる。


フェイは耳を澄ませた。


「ナスタさん、大丈夫ですよ恐れることはありません。」


「…。」


「もう苦しむ必要はありませんからね。一瞬の出来事で済みますから。」


そう言うとゴー、ゴーという音がして止まった。


「この世の命と慈愛の業に感謝します。永遠の幸福のありますように。」


そう言うとシューッという音の後ゴッという音がした。


しばらくの沈黙が続いた。


フェイは見つからないように、音を立てないように静かにしながら部屋へと戻った。


あの部屋では何かが行われている。


女性が消えた夜に、あの部屋で何かが。


フェイは嫌な予感しかしなかった。


確かめるしかない。


フェイはノートに記したあとまたも眠れない夜を過ごした。

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