第11話 思想
死神の因果、か。
悪魔と死の闇はどこにでも潜み、襲う。
救世院。
どこか公安部にも似た所がある。
フェイは宮仕の話しをノートに取ると、書庫に向かった。
救世院の書物か、読んでおかないとか。
公安部への報告と共に救世院に興味が沸いたフェイは救世院の出版物のある書庫に向かった。
【救世の光】という題名の本を取ると部屋に戻って読み始めた。
救世の本には暗き世と光について書かれていた。
暗き死の闇にも、生きる知恵、努力、感情、心、人の持てる力を持って死の闇と対峙すれば死の闇を払う光を得ることが出来ることが書かれていた。
光は生と幸福を与える。
死の闇にも打ち勝つことができれば、幸福な生を享受できるという内容だった。
フェイはどこか安堵と共に元気を取り戻した気がした。
そうか、俺達が戦っていたのは死の闇だったのか。
フェイは妙な納得感を覚えた。
救世の本には死の闇との戦いについて書かれていた。
読み進めるうちにフェイは納得とともに感化されていった。
【救世の光】を読み終えると、救世院とイドニスへの理解が増した。
イドニスや宮仕達がどんな思いで、過ごしているのかを伺い知る事が出来た。
【救世の光】を読んでいるうちに日は暮れかかっていた。
【救世の光】を書庫に戻して部屋にいるとまたドアをノックする音がした。
コンコン
宮仕「フェイさん、もうじきお食事の時間です。
準備が出来たら食堂までお願いします。」
フェイは食堂に向かった。
空いている席に座ると、魚の煮付けとライスとスープが運ばれてきた。
イドニス「皆様、今日もお疲れ様でした。
一日を過ごす力を与えられた事を感謝します。
今日も安息の夜が来ますように。
そう言うとイドニスは目をつむり顔の前で手を合わせ額に付けた。
それでは頂きます。」
食堂一堂「頂きます。」とまばらに声が聞こえた。
フェイも頂きますと言うと食事を始めた。
また今日もオルガンの演奏が聴こえてきた。
音楽と共に温かい食事と灯りに包まれると、じわりと心が暖まる感じがした。
食事が終わると部屋に戻り、一日の内容をノートに記した。
ケイに言われた指定の場所にノートを置きにいくとまた新しい紙が置かれていた。
フェイは紙をポケットに入れて部屋に戻った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます