第7話 救世院の生業1
翌日の朝。
フェイはあまり落ち着かず早めに目が覚めた。
窓から外を見ると日が出てきた所だった。
救世院の中は静かだ。まだみんな起きていないらしい。
フェイは思い出したように外に出た。
救世院を外に出て、少し森に入った所に岩がある。
その岩の上に石が置かれている。
石を持ち上げると下には紙が畳まれて入っていた。
フェイはその紙をポケットに入れると、靴の中に書き留めたノートを畳み石の下へと挟んだ。
フェイはまわりを見渡すと救世院へと戻った。
通路を進むと宮仕がいた。
宮仕「あまりお休みになれませんでしたか?」
フェイ「ええ、あまり寝付けなくて。」
宮仕「そうですか、まだ慣れないところで落ち着かない事でしょう。
困り事や悩み事などございましたら遠慮せず仰って下さい。」
フェイ「ありがとうございます。
気分転換に外に空気を吸いに行っていました。
落ち着いたらもう少し休もうと思います。」
そう言うとフェイは自室に戻った。
先程石の下から持ってきた紙をポケットから取り出して開く。
中にはケイからの手紙が記されていた。
ケイからの手紙
「よお、初日の調子はどうだ?
これからは毎日ノートの回収には向かう。
だから出来るときでいいから調査した内容をあの場所まで届けてくれ。
それと5日間連絡がつかない時は、公安部の人間が書状を持って救世院を訪ねる。
追伸-お前が消えちまうならその前にもっと金を借りておけばよかったと後悔しているよ。
シルバの方にも時々訪問して様子を伝える。
それじゃ引き続きよろしくやってくれ。」
そんな簡単にくたばってたまるか!
フェイはケイからの手紙を読み終えると、ロウソクの火を手紙に着け皿の上で燃やした。
身支度を終えると再び部屋をノックする音がした。
コンコン
宮仕「フェイさん、朝礼の時間です。
ここでは参加出来る方は1度朝礼に集まって一日を始めます。
フェイさんも準備が出来たら食堂までお越しください。」
フェイは宮仕に連れられ食堂へと向かった。
宮仕が修養者の部屋に回り起こして回っているようだった。
体調の優れないもの以外は朝礼に参加しているようだった。
イドニス「みなさんおはようございます。
今日も一日が始まりました。
朝は一日の始まり、身支度をして心も起こして行きましょう。
気分の優れない人は安静にしたり、少しでも心が楽になるよう心がけて見てください。
では今日を始めます。
皆様によい一日を。」
食堂の一堂「よい一日を。」
朝の挨拶を終えるとそれぞれが自分の生活を始めた。
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