神様の図書室
「読むと言ってもかなりの量があるからね。手分けをして読もうか。」
ウィルツーが手をかざすと、
僕が5人に増えた。
「じゃあ、
本体以外は手分けして読んでおいで。」
「「「「はい。」」」」
僕たちが歩いて行く。
不思議な感覚だ。
「じゃあ、レックスにはこの世界のことを少し説明しようか。」
「お願いします。」
「この世界はね、
40年ほど前に2つの世界が引っ付いて合体してしまったんだよ。
そして、それぞれの世界に元々いた神様同士が戦って、共倒れして、代役として私がスカウトされたんだよ。
モンスターだらけの世界と魔法もスキルも存在しない世界が引っ付いたから厄介なことになってしまっていたんだよ。
私がある程度整理したから、今はかなり落ち着いたけどね。」
「魔法もスキルもなかったら、どうやって戦っていたんですか?」
「科学の力、かな。
レベルやステータスいうものもないんだ。
みんな弱ければ、スキルや魔法が無くても戦いは成立する。
しかし、モンスターだらけの世界と引っ付いてしまったからね。
今は変則的なスキルや魔法を使えるようにしている。」
「スキルや魔法はあるんですね。」
少し落胆するレックス。
「変則的に、ね。
これを見て。」
ウィルツーは小さな石を取り出した。
「これは『スキルストーン』と呼ばれていてね。これを武器にセットすることでスキルが使えるようになるんだ。
レックスも武器にスキルストーンをセットすればスキルが使えるようになるよ。」
「僕でもスキルが使えるんですね。」
「装備している武器にセットされているスキル限定だけどね。」
「でも、この世界の人はレベルが無いんですよね。そしたらMP も低いから、それほど使えないんじゃないですか?」
「スキルの使用回数もスキルストーン次第だね。」
ウィルツーがスキルストーンを3つ取り出す。
「どれもファイアーボールのスキルストーンだ。威力は誰が使っても一緒。
でも使用回数の設定が違う。
これは10回使うと壊れる。
これは1日3回使える。
これは回数制限なし。
どれが価値あるかはわかるだろ?」
「制限なしが一番価値があります。」
「そうだな。
もちろん、回数の関係しないスキルストーンもある。
力上昇、
素早さ上昇、
火耐性、
剣技、
まぁ、数えたらキリがないね。
これらは武器にセットすると永続的に効果がある。」
「何個ぐらいのスキルストーンがセット出来るんですか?」
「まず、どんな武器でもセット出来る訳ではないんだ。
スキルストーンをセット出来るのはダンジョンで手に入る武器だけだ。
武器の価値は攻撃力とセット出来るスキルストーンの数で決まる。
最大は8つだよ。」
「ダンジョンがあるんですか?」
「ある。
と言うか私が作った。
モンスターだらけの世界が引っ付いたってさっき言ったよね。」
「はい。」
「そのままにしとくと、世界中がモンスターだらけになっちゃうから、その場所をダンジョンに変えて、モンスターが出てくるのを減らしたんだよ。」
「凄い。
ダンジョンを作ってしまうなんて。」
「まぁ、神様やってるからね。
それぐらいは出来るよ。
レックスもウィルに鍛えられたんだろ。
戦えるならダンジョンに行ってみてもいいかもね。
この世界でもダンジョンに入って稼ぐ人も多いからね。」
「考えてみます。」
「さてと、
説明はこんなとこかな。
後は本を読んで自分で調べて。
3日後に呼びにくるよ。
じゃあね。」
ウィルツーが消えてしまう。
僕も分身に混じって本を調べ始める。
テーマ毎に本棚が別れている。
社会、歴史、文化、宗教などなど。
1日中本を読んで過ごす。
食事はいつの間にか隣の部屋に用意されていた。僕ら5人は一緒に食事をした。
自分たちと一緒に食事をするって不思議な感覚。
3日間、本を読み漁りました。
「本は読めた~?」
ウィルツーがいきなり現れた。
その言葉と同時に分身がいきなり消える。
「うっ、、、」
頭がぐわんぐわんする。
知識の津波に襲われる。
「すぐに落ち着くから。
気にしなくても大丈夫だよ。」
頭がくらくらする。
もう少し気にして欲しい。。。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます