幕間 その後のドラクロア家

ウィルのそれぞれの子どもが役割を分担して担うことになった。



クラリス

ドラクロア伯爵と言う爵位はクラリスの子が引き継いだ。

エール王国の貴族としての責務を果たす。

ヘンリー王子が王位を継承した後も、叔父にあたる国王を支える。

もう1人の叔父、エリックと共に国の中枢を担う。



ミル

ウィリアムの街の統治を担う。

当初はどうしようもないほどの人手不足で大変な状態であったが、人材の育成に成功。

能力と人柄を重視し、家柄に縛られない登用が評判となり、仕官を目指す人材が殺到。

ただダンジョンのある街というだけでなく、高い教育水準と安心の福祉。

理想郷とまで呼ばれ、住みたいと希望する人は後を絶たない。



ミレーヌ

ウラドラ商会の会長となる。

番頭としてキャナルが商会を仕切る。

ウラドラ商会は世界一と呼ばれる規模に成長。世界経済を左右する力を持つ。

世界の物流を支える企業となる。

ウィルの精神を引き継ぎ利益重視の姿勢は取らない。特に辺境の村に必要な物資を届けることは採算度外視で行っている。

そんな支援を行っても余りある収益をあげられる、圧倒的な物流能力を誇る。



メル

意表をついてウィリアム騎士団の指揮権を持つ。メルは戦場でみんなを助ける超広域補助などを行っていたことから人気は高い。

騎士団の団長はヘンケンから始まり、歴代騎士団の中から優秀な人材が上がっていくシステムになった。

メルの子どもたちは大きな方向性だけを決め、それに従って騎士団団長が細かい作戦を決めていくスタイルになった。



カレン

フィガロウィリアムの街を担当することになった。フィガロ国内にありながら完全な自治権と治外法権を持つ特殊な街となる。

カレンは勇者であり、その子孫たちも勇敢な戦士となった。何度もモンスターたちの被害を受けたフィガロ王国にとっては頼もしい存在となっている。

フィガロ王国の貴族の中には快く思わない者も一定数いたが、そんな声をはねのける力強さがあった。



リディア

ロンムウィリアムの街を担当することになった。ロンムウィリアム、フィガロウィリアム、カンロウィリアムの3つの街をつなぐ街道は世界的な大動脈となり、経済的に無視できない大きな存在となっている。

この物流を阻害することは3大国への敵対行為と見なされるため、誰も不用意な手出しはしてこない。



エリュートロン

カンロウィリアムの街を担当することになった。カレン、リディア、エリュートロンの子どもたちは協力して世界的な流通網を維持していった。

クラリスとの仲も良く、この3都市の存在が4大国同盟を長期に渡り継続出来た大きな要因となった。

4大国同盟が強固である為にドルマ帝国も覇権主義からの路線変更を余儀無くされた。



タチアナ

セイロード島の管理を任される。

海運、海上防衛の中心地として非常に大きな影響力を持つようになる。

特にミレーヌと協力して海運事業の拡大に力を入れ、世界有数の交易拠点となった。

ウラドラ商会、ウィリアム騎士団との結びつきは強く、世界一安全な海域と呼ばれるようになった。



キャナル

空島の管理を担当した。

空島には大きな教会が作られ、ドラクロア家の子どもたちはここで『就職の儀』を受け、結婚式もここで行われた。

空島はドラクロア家の特殊性を象徴する存在となっている。

教会とのやり取りもキャナルの子どもたちが担当し、教会との微妙な関係を調整し続けた。

なお、ここで式を受けるのはドラクロア家の者だけであり、他の者は街の教会で行われている。



ミリア

ダンジョンの管理者を引き継ぐ。

ドラクロアダンジョンはドラクロア家の根幹であり、それを失うことは家の存続を揺るがす事態となる。

ただ、ダンジョンの管理者は日頃は特に仕事はない為に、ドラクロア家の調整役となった。後に作られる十子会の議長役を引き継いでいく。



十子会

10人の妻から産まれた子どもたち。

1人が受け持つには権限が大きくなり過ぎるために役割分担を行った。

最初は10人の妻が定期的に調整会議を行ったのが発端。以後、それぞれの子どもに引き継がれる。

判断基準は

『ウィリアム=ドラクロアならとうするか』

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