ウィルツーの決断
「小神族のリーダーは邪神より強いの?」
「・・・おそらく弱いでしょう。
ですが、簡単に倒されるほど弱くもありません。邪神の行動基準はわかりませんが、安易に敵対は出来なくなります。」
なるほどね。
確かに勝てるとわかってても、ダメージを受けることがわかってる相手とは戦いたくないか。
ウィルツーから質問が出た。
「邪神ってなんなの?
どこかに所属してるの?」
ルディアリアさんは少し困った表情を見せ、
「残念ながら、詳しくはわかりません。
小神族、巨神族、竜神族に属していないのは確かです。
その起源などは不明です。
創造神様に最も近い存在の1つと考えられていますが、私たち末端の者にはわかりません。」
「なるほどね~。
それで、ウィルツーはどうしたいの?
正直、私には直接の影響は無いしね。」
「う~ん。
やってもいいかな、とは思ってる。
エルカレナ様の神域にずっといても暇だしね。
かといって、この世界に顔を出すのもね~。
ウィルが2人!みたいになっちゃうじゃん。
それに、神様やるってなんか面白そうじゃん。」
「ウィルツーがやる気なら全然いいよ。
神様やってみたら?」
「でもさ、私とウィルの関係ってどうなるの?」
「おそらくですが、あまり変化はありません。既に別の個体になっています。今後も強いつながりを持つ別の個体として生きていくだけでしょう。
本人がその気になれば、いつでも1つに戻れますが。」
「バラバラでいいんじゃない。
合体する意味もないし。」
「ウィルはこの世界でウィルとして生きるし、私は別の世界に行って生きていく。
それだけでしょ。
いつでも会えるしね。」
「ウィルツーに比べたら、私は全然力が無いからね。そうそう簡単に異世界は行けないよ。」
「大丈夫だよ。2人のつながりを使えばちょっとの力で行き来出来るよ。」
「それに肉体を飛ばさずに意識だけをリンクさせるなら、もっと簡単に出来そうだね。」
「今までは私が存在を隠していたから出来なかったけど、これからはいつでも出来るさ。」
「ルディアリア様、私たちの結論は出たよ。」
「ありがとうございます。
我々にとって、喜ばしい判断です。
ウィルツーさんには後でゆっくり説明を致します。」
「よろしく頼むよ。」
「そろそろアフタヌーンティーの準備も出来る頃だと思う。
あっ! ちょっと皆を集めてくる!
勝手に決めずに相談するように妻たちに言われてるんだった。」
「みんなのことは大切にしないとダメだよ。」
「もちろんだよ。ちょっと待っててね。」
とりあえず急いで集められるだけ集めた。
妻10人にカシム、ソニア、ディーン、リクソン、ヘンケンたちだ。
女神様の部屋はぎゅうぎゅうになったけど仕方ない。
ざわざわざわざわざわざわざわざわざわざわざわざわざわざわざわざわざわざわざわざわ
みんなのざわつきが凄い。
そりゃそうか。
緊急で集めたし、
知らない人いるし、
ウィルが2人いるし、
ん?
ウィルが何人もいるのはよくあることか。
「みんな、いいかな。
けっこう説明が難しいんだけど、、、
順番に説明していくね。
とりあえず美味しいスイーツと紅茶をムラーノが用意してくれたから、ゆっくり食べながら聞いてよ。」
一息置く。
「まず、こっちはウィルツー。
私から切り離した力が別の存在として動き始めたって感じかな。
ほぼ私だけど、もう別の個体だ。
時間が経てば経つほど、別の存在になっていくと思う。」
「ど~も、今紹介してもらったウィルツーです。はじめましてって言うのも違う気がするよね。
こういう時の挨拶って何がいいかな?」
「緊張感がねぇな。」
「急にかしこまられても困りますから、これぐらいでいいんじゃないでしょうか。」
ディーンとヘンケンは平常運転だ。
「女神のエルカレナ様はけっこうなメンバーが会ったことがあるよね。
結婚式の時も祝福もしてくれたし。
で、もう1人がエルカレナ様の上司のルディアリア様。私も今日がはじめましてだよ。」
「女神様の上司!?」
「確かに神々しい雰囲気を感じますね。」
「女神様のお姿を目にするだけでも奇跡なのに、、、」
「それでね、ルディアリア様がウィルツーを神様にスカウトしたんだよ。
それでウィルツーが別の世界で神様をすることになったんだ。」
「神様のスカウト???」
「神様をすることになった???」
「意味が全然わかりません!」
「順に説明するから待っててよ。」
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