幕間 魔王の憂うつ
「まさかな。」
突如、魔王軍四天王レクターの死亡の報告が届いた。
今までの四天王は人間の活動エリアに攻め込み、返り討ちにあってしまった。
しかし今回は違う。
魔王軍の勢力圏内にある工場にいたレクターが強襲にあった。
強襲によりレクターは死亡。
工場は跡形もなく消し飛んでいた。
「今までの勇者とは全然違うな。
歴史を紐解いても、こんな無茶苦茶な襲撃をしてきた記録は見たことがない。
どうしてこんなことが可能なんだ。。。」
魔王軍四天王がもう全滅。
もう幹部がいない。
いつ勇者が攻めてくるかわからない。
どうする?
魔王ダースダルダムは勇者への対応を悩んでいた。
勇者はすぐ近くまで来ている。
それを迎え撃つか。
しかし、それでいいのか?
勇者が今までと違うなら、私も違うことをしてやろう。
できることはなんでもやってやる。
勇者を倒し、人間どもを滅ぼす。
それが私の存在意義だ。
この命、削ってでも戦ってやる。
寿命?
捧げてやろう。
長生きなど興味はない!
雑魚に用はない。
勇者を倒せる圧倒的な力。
人間を蹂躙する破壊力。
そんな存在を生み出す。
私の力は直接の戦闘よりも組織作りに特化している。
配下を生み出す。
それが特技だ。
魔王ダースダルダムは力を込める。
ただの魔力ではない。
魂を削り、命を対価に差し出す。
そして、漆黒の塊が3つ現れた。
徐々に形を成していく。
3人の魔族が跪いた。
「魔王様、我らをお造り頂き、誠に有難うございます。」
「この命、すべて魔王様に捧げます。」
「ご命令を。」
魔王ダースダルダムは大量の汗を流し、顔色も悪い。
肩で息をしながら、なんとか立っている。
「人間を滅ぼせ!
お前たちを三連鬼将と名付ける。
3人が同時に別の場所で仕掛けるんだ。
勇者が無視できないほどの被害を出せ。
勇者とてさすがに3ヶ所を同時に対処することはできまい。
行け!」
「「「仰せのままに」」」
三連鬼将は即座に出発した。
1人残った魔王ダースダルダムは思案する。
三連鬼将は強い。
四天王よりも断然に。
それに奴等には仕掛けがある。
別々の場所にいる限り負けはしない。
勇者がいかに強くとも対処はできまい。
私の魂を削り作り出した最高傑作だ。
3人とも個性が強い。
天のバランガ
地のビジェット
海のブロンコ
人間どもが恐怖し逃げ惑う姿が目に浮かぶ。
三連鬼将は軍勢を作って人間を襲う。
これから少し時間がかかるが、動き始めれば人間に止める手立てはないだろう。
私の奥の手だ。
これで決めてやる!
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