平穏な日々?
「お疲れ様~。無事に勝てたね。
クラリスの指揮が良かったね。よく状況が見えていたと思うよ。
レオンは反対したけど、カレンをエリュートロンのサポートに回したのは正解だったね。あれでモンスターがパワーアップしている間も安定して戦いを進めることができたからね。」
「でも積極的に攻撃した方が早く倒せたかもしれないぜ。」
「レオンの言う通りだ。もしかしたら、カレンをそのまま攻撃陣に残した方が早く倒せたかもしれない。でも、負ける確率が格段に上がる。なにせパワーアップ状態のモンスターが後衛メンバーに攻撃を当てたら一撃で殺されかねない。エリュートロンだけでは安定して防げないことはわかっていたからね。
100回戦って1回も負けない戦い方をする必要があるんだ。1回でも負けたらおしまいだからね。」
「確かに、格上のモンスターと戦う為には安全策が重要になりそうですわね。」
「これから、ここで格上のモンスター相手に戦闘訓練をしてもらうからね。平日の放課後の日課にしようと思ってるから、宜しくね。」
そして、翌日。
「今日はこのモンスターたちが相手だよ。」
女性タイプで腕が羽のような形になっている。
「1体ごとの能力は昨日のモンスターより低いけど、空を飛ぶし、3体いるから油断しないでね。」
「キース、カレン、エリュートロンがマンツーマンでマークして。リディアは後衛チームをカバー。まずはカレンの相手を集中攻撃して数を減らしましょう!」
クラリスが指揮をとるかたちが出来上がってきている。
途中キースとカレンが交錯してしまいマークが外れて後衛が2体から狙われるミスなどはあったが、なんとか勝利することができた。
そして、翌日。
「今日はこんなモンスターにしてみました。」
大きな木のモンスター。木の実をマシンガンのように撃ったり、大きな腕を振り回すような攻撃をしてくる。
遠距離攻撃や広範囲攻撃が厄介なモンスターだ。
レオンが大ダメージを受け、ウィルに救われた。
遠距離攻撃に対応するため、クラリス、モーリン、レオンの3人は常にエリュートロンの後ろに位置していた。しかし、モンスターの直接攻撃を受けてエリュートロンが弾き飛ばされた時に、クラリスとモーリンはリディアに向けて走りだし、レオンだけが倒れたエリュートロンに向けて走りだしてしまった。
そこを狙われてしまった。
ウィルが助けて、回復した後、レオンは再び戦闘に参加した。
その後は大きく崩れることもなく倒すことができた。
「悪い。俺のミスだ。」
「レオンはまだまだ状況判断が甘いね。本当はレオンが指揮をとれるようになると一番いいんだよ。クラリスが指示を出していると、その間魔法が撃てないからね。」
「そうだな。ウィルの言う通りだ。クラリス、悪いけど俺が指示を出す練習に付き合ってくれないか。」
「わかりました。次回からレオンが指示を出してください。戦闘が終わった後に何が良くて、何が悪かったか振り返るようにしましょう。」
「よろしくお願いします!」
そして、翌日。
「今回はレオンの指揮練習一発目だからね。ちょっとクセの強いモンスターにしたよ。頑張ってね♪」
今回のモンスターはゴースト。特技は状態異常攻撃。暗闇・麻痺・眠り・混乱になる攻撃をしてくる。しかも物理攻撃に強い耐性を持っている。いつもとはかなり違う戦い方が必要になる。
「くっそ~、いきなりアンデッドかよ!
カレンとクラリスを中心に組み立てるぞ。
キースとリディアは防御要因。エリュートロンは聖属性の攻撃スキルをタイミングをみて使ってくれ。」
レオンの指揮を皮切りに戦闘が開始した。
戦闘を開始してすぐに、キースが眠りに落ちた。
「ヤバイ!状態異常攻撃か!すぐに起こすんだ!」
その間に今度はエリュートロンが暗闇になってしまった。
「暗闇ですわ。モーリン、回復をお願い!」
次にリディアが混乱になってしまった。
この時は大ピンチになった。
リディアがいきなりキースに攻撃をしてきた。そこでようやくリディアが混乱していることが発覚。
「え~っと。リディアの混乱回復を優先して!
エリュートロンはリディアの攻撃を止めて。カレンはモンスターへの対応。」
その間に今度はキースが混乱の状態異常にされてしまう。続いてカレンが眠り。
「カレン?・・・いや、キースの混乱を回復させて。カレンはその後。」
レオンが迷いつつも指示を出す。
「エリュートロンのダメージが蓄積している、そっちわ?」
モーリンから指摘が入る。
「えーと、キース、エリュートロン、カレンの順番ならどうかな?」
「自信を持って指示を出しなさい。」
クラリスからダメ出しが入った。
結局、状態異常の回復とダメージの回復が追いつかずパンクしてしまった。最終的にエリュートロンとカレンが同時に混乱してしまい、ウィルが介入して強制終了。
「残念だったね。この後、敗因をじっくり考えてみよう。」
見果てぬ塔を出て学園に戻り、ミーティングを開始した。
「悪い。俺のミスだ。状態異常の連続にパニックになってしまった。モンスターそのものは攻撃力も素早さもそこまで高くなかった。」
「みんなも指示待ちになってたわ。レオンだけが悪いわけじゃない。」
「私も簡単な回復魔法なら使えるのに、モーリンに任せっきりになってました。」
「よくよく考えれば、眠りなら、軽く叩けば起こせるのに、いつもの癖でモーリンに頼ってしまってたな。」
色々な意見を交わしていく。
こういうことの繰り返しがチームとしての実力を上げていくと思うね。
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