それぞれの武器
「どんどんいくよ。
次はエリュートロン!
『ディフェンダー』だ!」
「名前だけ聞いてもわからないわね。」
「防御力を重視した剣なんだ。物理防御力も魔法防御力も補助してくれるんだ。鎧を2つ着ているような感じかな。ハイナイトは元から防御力が高いから、生存能力がかなり高くなるよ。あっ、もちろん攻撃力もちゃんと高いから安心してね。」
「防御力がアップする剣って!
信じられないけど、実在しているんですものね。しかも魔法防御力まで上がるんでしょ。ナイト系には垂涎の品ね。」
「喜んでもらえて良かったよ。この流れでキースのも紹介するよ。キースのは『飛燕刀』だよ。」
「どんな効果があるんだ!?」
「基本的に単純な攻撃力を重視してるから、特殊効果はそこまでクセは無いよ。」
「そうか。でも単純なダメージがデカイってのは有効だよな。」
「その通り。後、剣豪は遠距離攻撃が無いからね。遠距離攻撃スキル『飛燕』が使えるようになるんだ。これで攻撃面に穴が無くなるよ。」
「やっぱり、想像を超えてくるじゃん。遠距離攻撃スキルがつく武器なんて滅多にないぞ。」
「後はカレンとマーリン、レオンだね。
次も剣士系のカレンいこうか。」
「ありがとうございます。でも今の剣もかなり良い物なのですが。」
「大丈夫!今の剣を軽く上回る性能だから。『ルーンブレイド』。
魔剣士向けの装備で、魔法攻撃力もアップさせる剣なんだ。『詠唱速度上昇』もついているから魔法での攻撃もかなりやりやすくなってるよ。」
「すご過ぎます!
魔法攻撃力の上昇が杖並じゃないですか!
もちろん物理攻撃力も今の剣より高いですし!」
「この剣ならどんな状況にも対応できるからね。オールラウンダーのカレンには最適だろ。」
「ありがとうございます!これで明日から戦います!」
「次はモーリンだね。
『回復砲台の杖』だよ。」
「なんか、すごい名前だね。」
「回復魔法を大砲のように飛ばすってイメージから来てるんじゃないかな。
『回復魔法射程延長』『距離減衰低減』の効果がついているから。離れた味方を回復することに特化した杖だよ。」
「すごい!これ戦闘中に回復するのにものすごく便利だよ!」
「前衛チームの負担も減るでしょ。」
「パーティーでの戦いやすさが段違いに良くなるはずです!」
「さてと、最後にレオンだけど、、、」
「なんだよ、その間は。」
「合宿の最初に武器を渡してるんだよね。しかも戦闘職じゃないのに、既に過剰火力になってるし。」
「うっ、確かにこの『パラライズガン』もすごい武器だけど。。。」
「だろ。でも何も無しだと可哀想だから、アクセサリーを用意したよ。」
「アクセサリー?でもアクセサリーって気休め程度の効果だろ。」
「まあ、武器みたいに直接的な攻撃力とかはないよ。でもこの『チキンハート』は特殊効果が役にたつよ。」
「なんか嫌な名前だな。」
「名前はともかく、効果はバッチリだよ。
『気配感知』『逃走能力上昇』『遠距離攻撃補正』。
つまり、遠距離攻撃は強くなって、敵の接近を感知して、逃げられる。そんな能力だよ。」
「なんだよそれ!無茶苦茶いいじゃん!」
「だろ。レオンは戦闘職じゃないから、強さよりも生き残れるってことに重点を置いたアクセサリーにしてみたよ。」
「気配察知と逃走能力上昇。ヤバい時には真っ先に逃げられる!最高じゃん!」
「皆に喜んでもらえて良かったよ。明日からはこの装備を使って適正レベル35のフロアに挑戦してもらうよ。
それと、今回プレゼントした装備はどれも非売品の特別品だから、売ったりしないでね。市場がざわつくから。」
「だろうな。ダンジョン街の装備品は優秀だって噂は聞いてたけど、今回の装備はそんなレベルじゃねえよ。売れば簡単に家が立つレベルだよ。売ったら貴重品過ぎて、すぐに噂が立つな。」
「そんなにすごい武器なんですか?」
「凄過ぎて、気を失いそうなレベルだぜ。
ダンジョンの奥地で手に入る武器は優秀だが、特殊効果が役に立たない物がほとんどなんだよ。それが今回の装備品は特殊効果もバッチリだから、レア度が段違いに上がるんだ。これを手放すのはよっぽどのバカだけだぜ。」
キースが興奮してまくし立てる。
「明日からの戦闘に向けてミーティングをしましょう。装備が大幅に更新になってますから、連携の確認は必要ですわ。」
「その通りですわ。個々の力が強くなっても連携が乱れたら意味がありませんわ。」
「ウィル、ちょっと場所借りるぞ。新しい武器をぶっつけ本番は危険だからな。使い心地と連携は今日中に確認しときたいんだ。」
みんな成長してるね。
新しい武器を事前に確認して、連携も調整するなんて、合宿前には考えられなかった。
もちろん、翌日からのダンジョンアタックも順調に進んだよ。適正レベル35でも、ミックたちの助けはありつつ、見事に勝利できた。
強化合宿はこうして幕を閉じた。
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