校外研修

「それではこれから出発するぞ。俺について来い。」

ハワード先生の号令に従って出発する。

学生はA~D組の生徒が参加している。

G~H組は来週実施なんだって。


学生たちは全員大きな荷物を背負っている。

3泊4日用の食糧やテントのパーツ、着替え、その他の荷物等だ。


大量の荷物を背負った学生たち。

先生たちが要所要所に入って脱落者が出ないように見張っている。まぁA~D組は優秀な学生が多いから、脱落者もいないだろうけどね。


「クラリス様、大丈夫かい?」

小柄なクラリス様は見るからに大変そうだから、声をかけた。

「まったく問題ございません。たかが荷物が多いぐらいで、全学生の模範である私が弱音を吐くことなどあり得ません。」

「さすがだね。一緒に頑張ろう!」


他のクラスメイトを見たけど、みんな大丈夫そうだね。A組はみんなレベルが高いから、これぐらいは問題無いんだね。


カレンも問題無さそうだね。

泥んこダンジョンまでのランニングで鍛えてるからね。


「これってどこを目指してるんだ?」

「コレッカ高原だよ。昼過ぎには到着できるんじゃないかな。

普通は馬車で行く場所だな。」

「レオンは行ったことあるんだ。」

「もちろん。王都在住の貴族はだいたい行ったことあるんじゃないかな。

今回の野営地の近くにホテルがあって、何回か利用したことがあるぜ。」


「モンスターとかはいるの?」

「森の中に入ればいるよ。でも森の外まではほとんど出てこないみたいだぜ。まぁ、わんさかモンスターが出てくるようなら、校外研修なんてできないからな。」

「そりゃそうだね。」



途中休憩を挟みながら、昼過ぎには到着。

「は~、疲れた~、俺もう限界だわ。」

「レオン、体力無さ過ぎだよ。」

「仕方ないだろ。俺は戦闘職じゃないんだから、体力差は大きいぞ。」

「もうちょっとレベル上げた方がいいんじゃないか。」

「今度一緒に泥んこダンジョン行くか?」

「泥んこダンジョンじゃなくて、篝火ダンジョンに行こうよ。」

「ダメ~。最初に楽を覚えるのは良くないよ。レベルだけじゃなく、実力も磨かないと。」

「非戦闘職に何を求めてるんだよ~。」

「レオンは楽ばっかり求め過ぎだよ。基礎がしっかりしたら、効率重視でレベルを上げするのもありだけどね。」

「もう十分基礎はできてるぜ。剣術もちゃんと指導受けてるし。」

「レオンの剣術は型とか礼とかだけで、実践的じゃないんだよな~。」

「そりゃ仕方ないよ。剣術道場じゃ、戦闘職にしか、実践的なトレーニングはしないからね。非戦闘職の貴族向けは見た目だけちゃんと見えるようにするだけだからな。」

「そうなんだ。それなら今度実践的なトレーニングしようか?基本的な護身術からだけど。」

「お願いします!」



ハワード先生が全員に向けて声をかけた。

「全員聞こえるか!

これからテントの設営を行う。

ここから見える範囲で設営しろよ。

設営が終わった後は自由時間だ。

食糧調達や夕食の準備に使え。

それと夜の見張りの順番を決めておけ。

トップバッターの生徒は合図の鐘の音が聴こえたら、にここに集合するように。」



「見張りはどの順番にする?」

僕たちはテント設営をしながら順番を決めることにした。

「じゃあ、じゃんけんで勝った人から選べるようにするか?」

「いいね。毎日じゃんけんしようぜ。」

「よーし、じゃあじゃんけんしようか。」


結果、僕が勝ちました。

ウィル、ノーマン、レオン、キースの順番に決まった。


テントの設営が終わって。

「これから自由時間だけど、どうする?」

「基本は食糧調達と薪拾いだな。さすがに毎日干し肉とパンだけは嫌だろ。」

「そうだな。食糧調達なら川で魚獲るか、森でモンスターを狩るか、木の実や野草を採るかだな。」

「じゃあ、みんなで森に行こうよ。がっつりモンスター肉食べたいな。」

「いいけど、モンスターが出たら守ってくれよ。俺だけ非戦闘職なんだから。」

「3人も戦闘職がいるんだから大丈夫だって。」


みんなで森に入り、

レオンとノーマンは薪拾い、ウィルとキースでさらに奥に入ってモンスターを狙うことにした。


「はぁーはぁーはぁー。

ウィル、ちょっと、待って。」

「キース、もうちょっと体力着けないとダメだな。」

「はぁー、なんで足場が悪い森の中で、そんなに、速く動けんだよ。」

「『フォレストウォーク』のスキルがあるからだよ。足場が悪くて、枝や茂みが邪魔な森の中でも、スムーズに動けるようになるスキルだから、けっこう便利だよ。」

「はぁー、はぁー、さすがウィルだな。そんなマニアックなスキルまで持ってるんだな。ちょっとだけ休憩させて。」


「わかったよ。そこの岩に座って休憩しなよ。僕はちょっと周囲を探るから。」

「ありがとう、ちょっと休憩したら、また動けるから。」


よーし、1人で動くチャンスだ。

やっと自由にできるぞ!

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