次のステップ

翌朝

「おはよう」

「「・・・おはようございます」」


2人とも元気がないね。

寝不足かな。


「明日から次のステップに入るから、そのつもりで今日は準備して欲しいんだ。」

「次のステップですか?」

「そう。

ソニアが戦闘のできる上級職になったけど、実際の戦闘経験がまったく無いよね。

だから、明日からはカシムとソニアは一緒にダンジョンに入って、ソニアに戦いのやり方を教えて欲しいんだ。」


「確かにおっしゃる通りですが。」

「私もモンスターと戦わないとダメなんですか。

私、怖いですよ。」

「最初はダンジョン上層部の雑魚モンスターが相手だから、安心して。

今日中に装備も多少は用意するし。

レベル70超えの上級職ならなんの心配も無いよ。」


「確かにウィルの言う通り、完全なオーバースペックです。怪我をする可能性はほぼ無いでしょう。」

「そうそう、カシムと一緒に戦闘訓練を数日すれば、すぐに慣れるよ。」


「う~ん。

わかりました。やってみます!

カシム様、宜しくお願いします。」

「こちらこそ宜しく頼むよ。」


「それでさ、『戦場メイド』ってどんな武器が向いてるのかな?スキルとステータスを教えてもらっていいかな?」

「大丈夫です。どうぞ。」


ソニアが順番に説明していく。

ステータスは器用さと素早さが高め、

スキルは『ナイフ術』と『銃術』があった。


力や丈夫さはそれほどでもないから、銃装備の後衛、ナイフは護身用って感じかな。


「わかったよ。ありがと。

明日までに装備を用意しとくよ。」

「宜しくお願い致します。」


「僕も次のステップに移ろうと思う。」

「ウィルの次のステップですか?」

「そう。

これまで、午後は転移場所を増やすために国内を移動してたけど、ある程度、回れたからね。明日からは『見果てぬ塔』を攻略しようと思うんだ。」

「じゃあ、拠点を移すんですか?」

「いや、当面は変わらずメリッカを拠点にするよ。午前中は『帰らずの回廊』でレベル上げ、午後は『見果てぬ塔』の攻略。

情報だと『見果てぬ塔』は一度クリアした階層には、入口にある転移陣から転移できるらしいからね。毎日少しずつ進もうと考えてるよ。」


「でもどうして『見果てぬ塔』まで行かれるのですか?ここでレベルは十分上げられるのでは?」

「レベルよりも素材だね。

徐々に生産系のスキルを手に入れてきたんだけど、『帰らずの回廊』はモンスターが偏っているから、手に入る素材もどうしても偏りがひどいんだ。

今後を考えると素材収集場所は増やしておきたいからね。」



翌朝

「おはよう。今日からソニアもダンジョンだね。」

「はい。不安ですが、頑張ります。」

「心配しないで。

それと約束通り装備も準備してきたよ。」

僕は順番に出していく。


「まずは、靴とマントね。これはカシムとお揃いだから、細かい説明はカシムに聞いといて。」

「お揃いですか!わかりました!」


「次はこれ。竜のエプロン。

身体に装備する防具だ。

物理防御力+48、魔法防御力+54、斬撃・貫通耐性(小)、火・水・雷・闇属性半減。毒・麻痺耐性上昇(中)。」

「ありがとうございます。」

「は~」

なぜか横でカシムが頭を抱えている。


「それから武器だけど、2つ用意したよ。

銃とナイフだ。メインは銃を使って、ナイフはサブって感じかな。

スペックも銃の方がいいよ。

銃はドラゴンブレスって名前だよ。

物理攻撃力+105、魔法攻撃力+30、魔力を帯びた攻撃だから、物理無効に対しても多少はダメージが入るよ。

ダメージは器用さ依存だから、力が弱くても安心して。」

「ありがとうございます。」

「は~~~」

カシムのため息がどんどん深くなってる。


「ナイフはドラゴンエッジ。

物理攻撃力+75、貫通(中)、重量軽減(弱)

まあサブウェポンなら、こんなもんでしょ。」

「カッコいいですね。」

2つの武器を見ながら、ソニアが感想を漏らす。


「気にいってもらえたなら良かったよ。

扱いはカシムに教えてもらってね。」


チラリとカシムを見ると放心して焦点があってない。

大丈夫かな?

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