第22話

ヘレルが戻ってきた。

 壊してくれた壁を元通りにしてくれたことはいいとして壊したことは怒った。

 元のヘレルに戻ったみたいで良かった。

 またピアノが聞きたいと言ってくれたので弾いてあげた。




「お茶にしましょうか」

 湯飲みを二つ机の上に置いた。

「イチゴ大福買っておいたわ」

 と二つのった皿を置く。

 私がお茶をすすっていると、

「二つ食べても良いのか?」

 とヘレルは聞いてきた。

「あたしの分は?」

 少しは考えろ!


明日はヘレルと外出することになった。

 食べ物の買い出しとなんとなく出歩くために。さすがに家に引きこもっているだけだとたまには出かけたくもなる。

「朝の八時には起きてね」

「わかったと言っておるだろ、何回言う氣だ」

 ヘレルはいつも決まった時間に起きないから心配だったのだ。

 次の朝。

 朝の八時。

 ヘレルのために朝ご飯を用意してテーブルについている私がいる。

目玉焼きが湯氣を立ててレタスが彩りを添えて待っている。

 案の定ヘレルは寝ている。

 私は頬杖をついてヘレルを見ていた。

「かわいいのは見た目だけよねこいつ」

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