第14話

「ぐああああ漏れるうう」

「ははははは」

 ここは軍隊が訓練している場所。

 新米のダートにはまさしく地獄だった。

「うあああああああ!」

 強制ストレッチをやっているのだが、一人を複数で押さえつけて無理矢理伸ばしている。

 地面に座り両の脚を伸ばされた状態で片脚ずつ二人に抑えられ開脚、さらにもう一人には腕を引っ張られる。

 ※よい子は痛めるのでまねしないでね。

 両の足裏をあわせた状態の脚に人が乗っかる。

 悲痛の叫びが広がる。

 ダートは正義感溢れる若者だった。下の兄弟たちのため、金を稼ぐのに兵士になったが人を守るために働けるのが嬉しかった。

「兄ちゃん頑張ってきてね」

 毎日のつらい訓練も励まされると頑張れたものだった。

 初任務。

 村の外れに、魔女がいるらしいという噂があるため、調査、捕縛せよとの命令。




「ここに魔女がいると聞いてきた!ご同行願おうか」

 兵士たちが突然やってきた。

畑いじりをしていた手を止めて、土をつけたままの手を握り合わせる。

「そんな……私は魔女なんかじゃ……」

女は突然のことにうろたえてしまう。

 その時、男が一人兵士たちに躍りかかる。

「二人とも逃げろ! タルフィ、お母さんを守るんだぞ」

「刃向かう氣か!」

「あなた……!」

 タルフィの母とタルフィはタルフィの父の言葉に従って駆けだす。

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