第11話
ヴェトイは、火炙りの刑に処されることになった。
だしてくれ。
だれか、たすけてくれ、なぜ何もしていないのに死ななければならないんだ。
俺は死にたくない。
誰か。
なぜ人間を裁くんだ。
人が人を裁くなど、していいのか?
そんなに偉いのか?
害があるからと見なされたら殺されねばならないのか?
自分たちを脅かす存在は消すというのか。
何もしていない、同じ人間なのに。
ああ、助けて……くれ
聴衆の前でヴェトイは叫んだ。
「おお神よ、私は無実の罪で殺されるのです!」
火は熱かった。
「呪ってやる! すべての人間を呪ってやるぞお! 誰も俺を助けようとしない、なぜだ! 死んで当然と思っているのか? 俺を殺そうとする奴も、ただ見てる奴も同じだ!」
皮膚はただれ、息はできず、目も見えなくなっていた。
「うああああああああああああああああああああああああああああああ熱いよオオオオオオオオオオオオ誰かアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア死ぬのは嫌だ、嫌だやだあああ死にたくないよお」
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