第7話
「この野郎!」
男が宿屋の壁にぶつかる。
「おらあ!」
すかさず殴られた男は立ち上がり、相手に肘鉄砲を食らわした。
男は後方によろめいて、近くの机の上に置いてあった食器やらが床に落ちてガシャンガシャンと音を立てて散乱する。机に寄りかかりながら、口の端から出ている血を腕で拭う。
戸がドン! と開いた。
「ちょっと待ったあ、おめえらそんなつまらないことは迷惑だからやめろお!」
ヴェトイが現れた。
まわりにいた人々がヴェトイだ、来てくれたぞ、よかった、と言っている。
「なんだこのふざけた野郎は?」
「ひっこんでろ!」
喧嘩をしていた男二人が言った。
二人はまたどつきあいを始めだす。
むしされたヴェトイは近くにあった木のしっかりとした長机を持ち上げて、喧嘩をしていた二人に何回も叩きつける。
二人まとめて動けなくなっていた。
春になって山菜の季節になりヴェトイは野草を山に取りに行くことにした。
バン! と銃声が轟く。
ヴェトイは撃たれた。
「ヴェトイ! ヴェトイ! しっかりしてくれ、熊とまちごうて撃ってしもうたじゃ」
猟師が必死に呼びかけるがヴェトイは苦しみの表情を浮かべるのみだった。
猟師は急いで人を呼んでヴェトイを医者の元に運ぼうと駆けだす。
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