第10話パチプロ

「ただいま~」

美樹は帰宅した。神様はベランダで喫煙していた。

「お疲れ様」

「神様、今からシャワー浴びて羽弦さんとデートです」

「知ってるよ!だって、私は神様だから」


ブッ!グジュッ!


「あっ、失敬、失敬……ちょっと漏れた」

美樹は神様を汚物を見るような目付きで、

「私がシャワー浴びた後に洗って下さい。パンツとジャージは近所のコインランドリーで洗って下さいね!分かった?」

「……はい」

神様は、高齢者なので肛門のバルブがゆるいのだ!


1時間後に羽弦は迎えに来た。

「美樹ちゃん、パチンコ打ったことある?」

「いいえ」

「今日はパチンコデートなのだ~」

「わたしは、ギャンブルにはお金を使いたくないです」

「僕が一万円渡すから。負けてもいいよ」

「羽弦さん、わたしパチンコ打ちたかったんです」

「……ま、頑張って。勝った方が焼き肉おごりね」

「はい」

美樹は胸が高鳴った。明日は2人とも休み

だし、またお泊まり保育になるかもしれない。先輩に保育されたい!


2人は、エヴァンゲリオンの台に並んで座った。羽弦は美樹に一万円渡し、玉の借り方を教えて、左肩の釘目掛けてハンドルを回すように教えて、缶コーヒーを買いに席を外した。

羽弦が戻ってくると、美樹の台に『使徒殲滅』の文字が……。

投資500円7回転目で大当たり。ビギナーズ・ラックだ!

「羽弦さん、玉がいっぱい出てきます」

「それがお金に変わるんだよ」

羽弦は9500円分のカードを美樹の台から抜いて、打ち始めた。投資6000円。

777で大当たり。してやったり。

「今日は焼き肉だね」

「はい」

夕方まで打って、美樹は7万5千円、羽弦は6万円回収した。

美樹は、大金に喜んだ。そして、すぐに銀行に行きお金を預けた。


「美樹ちゃん。焼き肉屋は僕んちの近所だから、車を駐車場に止めて歩いて行こうか?」

「はいっ!」

「あ、今夜はがぶ飲みしないでね」

「気を付けます」


あぁ~、神様ありがとう。今夜、わたし達は結ばれるのね。


2人は焼き肉屋に到着した。

すると、見覚えのある顔が!神様だ!

どうして?神様はキレイなお姉さんと焼き肉を楽しんでいた。美樹は端っこのテーブルをえらんだ。

「美樹ちゃん。典型的な日本人だね。日本人とザリガニは端っこが好きって言うんだよ!」

「ま、わたしはザリガニですから」


さて、宴が始まった。

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