第9話デート前の夜勤

今日は夜勤だ。夜勤は3人で夕方4時から朝の9時で。途中交代で3時間ほど仮眠ができる。

3時間おきに、入所者のオムツ交換、体位交換等をする。

深夜1時、美樹は休憩に入った。昨日の大量飲酒のお陰で直ぐに仮眠にはいった。

残された、羽弦と和田は談笑していた。

「美樹ちゃんのことどう思う?」

「かわいいよね、巨乳だし」

「僕は好きって言われたんだけど」

「へぇ、良かったじゃん」

「それが、大量飲酒の時だから信用出来ないんだ」

和田は少し考えて、

「夜勤明け、出かけたら?」

「どこに?」

「……パチンコ」

「パチンコデートか~、いいかも。一万円で出なかったら辞めて、勝ったら焼き肉コースだな」


2人は缶コーヒー飲みながら、喫煙所でタバコを吸った。

PHSを持っているので、いつでも対応出来る。

「和田君は一恵ちゃんと上手く行ってんの?」

「うん、毎日エッチしてる」

一恵ちゃんは、この施設の管理栄養士なのだ。

「あっ、そうだ。仮眠室のバッグに安産祈願のお守りがぶら下がっていたんだけ、誰のか分かる?」

「市川のお姫様のだよ!彼氏もいないくせに!」

「美樹ちゃんバカなのかな~?」

「限りなく」

「ま、僕は美樹ちゃんが好きだから、パチンコデートに誘うよ」

「頑張って!羽弦先生」


そうして、夜勤が明けた。

帰りに美樹に声を掛けた。

「美樹ちゃん、今日はひま?」

「はい」

「僕とデートしよっか?」

「……はい。僕の車に乗ってそのままデートしよう」

「ジャージだし、シャワー浴びたいんですけど」

「家まで送るよ」

「ありがとうございます」

「1時間後に迎えに行くから」

「はい」


さて、どうなることやら。

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