第6話羽弦さん
今日は遅番だった。昼の11時から20時まで。相方は羽弦さんだった。入社した時は、羽弦さんは憧れの的であり、彼女さんがいるのを知っているが、入社から3年経ってもコンビを組む時は胸が高鳴った。
「美樹ちゃん。お昼前のオムツ交換しようか?」
「はい、じゃわたしはA棟から始めます」
「じゃ、僕はB棟の奥からオムツ交換するよ」
息がぴったりで、羽弦さんと仕事すると楽だ。
美樹は、周りの人間からも羽弦さんとコンビ組む時が一番楽だ!と、言っているのを知っている。
5時。
夜勤者が出勤してくると、遅番組は休憩になる。休憩室でお茶を飲んでいると、羽弦さんが、
「美樹ちゃん、今夜ひま?」
「ひま?って言えばひまですけど」
「飲みに行かない?大番で」
大番とは、おでんが有名な居酒屋で豚足は絶品である。
美樹はニコリと笑みを浮かべて、
「行きます!」
「じゃ、21時に大番の入り口で待ってるから。明日は2人とも夜勤だから遅くまで飲んでも問題ないでしょ?」
「そうですね。わ~い。彼女さんに叱られそうで怖いですけど」
美樹がそう言うと、羽弦はタバコに火をつけて、
「彼女とは別れたよ!半年前に」
「あ、そうなんですか~」
美樹は心の中でガッツポーズした。
20時。仕事が終わり2人はさっさとタイムカードをガッチャンコして帰宅した。
「神様~、今から憧れの先輩と飲み会なんですけど、吉ですか?」
神様ニコニコしながら、
「エッチしたい?」
「は?」
「羽弦君とエッチしたい?」
美樹は間を置いて、
「ま、まぁ今夜は流れによっては……」
「私の占いでは、彼は君の事を気に入っている。よし、二次会は彼の家で飲むようにするから、積極的に行きなさい。あ、今夜の格好は胸を強調する服を着て行きなさい。もう、6月だからね」
「神様、今回は上手くいくわよね?」
「……う、うん」
美樹は胸を寄せて上げて、胸を強調した格好をして大番へ向かった。
既に、大番の入り口に羽弦は立っていた。
「お待たせしました、羽弦さん」
「おっ、来たか。入ろう」
2人は居酒屋に入っていった。
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