第10話 物語の徽宗皇帝と現実の徽宗皇帝
ところで、
『
ただ、その描写をそのまま受け取っていいかというと、どうか、というところもあります。
たとえば、名君として正しい判断をする場面もありながら、重要なところでは悪臣どもにかんたんにだまされてしまう。悪臣どもに対して怒る場面もあるのだけど、かんたんに丸めこまれてしまう。
また、庭園造りに
そういうところを見ると、持ち上げているように見えて、「ひとはいいけど、すぐにだまされてしまう暗君」という徽宗のイメージ作りに、むしろ『水滸伝』は貢献したのでは、とも考えたくなります。
なお、徽宗はずっと「政治には無気力で無能な暗君」イメージを持たれていたのですが、近年では、積極的で意欲的な皇帝だったという評価が出ているようです。それとともに徽宗の下の「悪臣」とされた政治家たちの評価も変わってきています。
徽宗は、その命取りになった対外強硬政策に現れているとおりの、わりとアグレッシブな指導者で、臣下たちもそれまでのやり方にとらわれないアグレッシブな政治家たちだったのではないか、ということです。
日本でも、室町幕府八代将軍足利
ところで、この宋の徽宗皇帝が開発した書体として「
うーむ。
……というわけで、宣伝。
『木漏れ日の水彩画』
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