第11話 猫麺
昏上逢のトレーニングによって、敏捷が1上昇した。
次の日では、何時もの様に、彼女のトレーニングを見ようと思っていた矢先だった。
「旧壱さん、あの…はちまきをした猫さんが来ました」
早朝から、イベントが始まったらしい。
旧壱新多は体を起こすと、彼女の言った言葉に対して思わず笑みを浮かべる。
「猫さんか…」
「はい、あの、何故笑うんですか?」
笑ってしまうのも仕方が無い事だ。
はちまきをした猫と聞いて、思い当たるイベントがあるとすれば…。
「(またたび食堂だな)」
旧壱新多は確信した。
「猫さんは何処に居るんだい?」
「あ、えっと…広場で、屋台を出してます」
彼女の言葉に、旧壱新多は外へ出る準備をする。
「それじゃあ、食べに行こうか」
旧壱新多は病院服から着替えて、ビジネススーツを着込む。
首元のネクタイをきっちり締めた上で、緩める。
そして、旧壱新多は昏上逢を引き連れて、中庭へと移動する。
「こんにちは」
確かに、中庭に屋台が立てられている。
移動販売用の荷台に、暖簾が掛けられていた。
周囲には、様子を見に来た子供達が、器を片手にラーメンを啜っていた。
「(またたび食堂、食堂と言っても、販売しているのはラーメンだけど…そのラーメンが良いんだ)」
旧壱新多は、メニューには無い裏メニューから、特別なラーメンを頼む事にする。
「やあ大将」
そう言うと、三毛猫がラーメンを作っていた。
一瞥だけすると、近くに置かれたペットボトルから、水をコップに入れて差し出してくる。
寡黙な猫だった。
「さて。昏上、今日のイベントはラーメンだ。『大将の特別ラーメン』で頼んでくれ」
「えーっと…『大将の特別ラーメン』を一つ、お願いします」
そう言うと、猫のラーメン店主は首肯すると、早速ラーメンを作る作業に取り掛かる。
十分もしない内に、ラーメンが運ばれてきた。
「これを食べると、ステータスの何れかに+補正が着く様になっているんだ」
「ステータスの何れかに…+、ですか?」
ラーメンをふぅふぅと息を吹き掛けながら啜る昏上逢。
「あぁ…同列のランクとの拮抗状態になったら、+補正の付いた人物の方が勝る様になっている、出来れば、敏捷に+補正が掛かって欲しい所だけど…」
そこまでは高望みしても仕方が無いだろう。
ステータス補正が入るのはランダム。
流石に、旧壱新多の願い通りに叶う事は無かった。
『シルバーバレット』 LV.07
『職業』
/銃使いの魔法少女
『スキル』
/『
ランク:E
分類:予知系
説明:結末までの秒数を認識出来る
『
→ランク:B
分類:操作系
説明:対象物に狙いを点ける事で、自動的に弾丸軌道を設定し、弾丸がその軌道通りに射出される。
『魔装杖』
/『バレルブレイズ・ロッククシューター』
銃火器の魔装杖。
ライフルの様に長いロングバレルが特徴的。
攻撃に対して+補正が掛かる所を確認した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます