筆記試験
試験当日。まあ、試験と言っても俺たちは推薦組のためただのクラス編成試験でしかないが。見た感じ推薦組はほとんどいないようだ。それだけ狭き門ということなのだろう。
まず午前中は筆記試験だ。特にトラブルが起きたわけでもないので割愛するが。
五時間後、昼食会場にアリスがフラフラしながら現れた。
「もうヤダ……帰りたいよう……」
「だから言ったのに……せめて前日ぐらいは勉強しようって」
「だってそこまで勉強しなくても点は取れるって言ってたじゃんレストンの嘘つき」
「嘘じゃないよ。実際僕もザグも満点だし」
「なんでそんなのがわかるのよ」
「書いた答えが全て一致したからね」
「ウソデショ!?」
本当のことだ。記述式の問題がなかったというのも幸いしたが全部せいぜいが中学校1年生レベルの問題だった。
しかし流石はアリス、頭脳労働が苦手なことに定評がある。
「あと、俺ら経済からも推薦きてたからな?多少の復習で満点を取るのは普通ならテスト問題を事前に知らない限り無理だぞ?」
俺は小等学院入学前に時間加速空間で一億年くらい引きこもって知識を頭に詰め込んでいたし、レストンは稀にみる真面目っぷりで勉強していたので、そんなことができても不思議ではない。
それに教科は国語、数学、社会、魔法学の四つだ。外国語とかがあれば苦労したんだろうが。
『テスト結果が張り出されたぞ!』
それを聞いた受験生たちがテスト結果を、見ようと一斉に動き出す。
「二人は見に行かなくていいの?」
「教科書が間違ってない限りは満点だろうが……一応見に行くか」
「そうだね」
テスト結果の前には物凄い人集りができていた。
「やべえ……満点が二人もいるぞ……」
「何者なんだよあの二人」
「殿下でも395点だぞ」
人集りから聞こえてくる声的に満天二人は間違いなく俺たちだろう。何者?経済学院からも推薦がきた自称天才二人組ですがなにか?
人が群がりすぎていて紙が見えないので透視して紙をコピーする。
「昼食会場でみるか」
「そうしよう」
「え、待って、どうやって複製したの?」
「秘密」
俺たちは人のいなくなった昼食会場で紙を広げる。その一番上には……
1位 ザウグレス=リームロック 400/400
1位 レストン=トリリア 400/400
の俺たち二人の名前が当然のように載っていた。
ちなみに、筆記試験はアリスが345点で38位、リアが386点で7位、ミューレンが379で13位だった。
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